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Jリーグ開幕を直前に控えた2月27日(月)、なんばHatchにて美尾敦選手、實好礼忠選手、下村東美選手、朴康造選手らを迎えての関西4クラブトークバトルが開催された。関西ならではの“舌戦”を繰り広げたトークの模様を完全レポート!

ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2006 Vol.49
「関西4クラブ 2006Jリーグタイトル独占宣言!?」 

協力:
SUNTORY
JLEAGUE なんばHatch

なんばHatch

前編

<ホスト>
水内猛(スポーツキャスター)
'72年神奈川県生まれ。旭高から'91年に三菱自動車工業(現・浦和レッドダイヤモンズ)入り。Jリーグ元年には、浦和で出場試合数18試合、7得点と好成績をおさめる。'96年ブランメル仙台(現・ベガルタ)仙台に移籍。'97年の引退後はスポーツキャスターとして「すぽると」(フジテレビ系)、TBS・Jリーグ中継などで活躍中。

<ゲスト>
武田修宏(サッカー解説者)'
'67年静岡県生まれ。'86年清水東高から読売クラブ(現・東京ヴェルディ1969)入り。'01年の引退までにジュビロ磐田、京都パープルサンガ、さらにパラグアイの名門スポルティボ・ルケーニョなど延べ7チームでプレーした。Jリーグ通算237試合出場94得点(歴代4位)、日本代表通算18試合出場1得点。現在は各メディアで活躍し、JFAアンバサダーも務める。


美尾敦(京都パープルサンガ)

'83年神奈川県生まれ。ベルマーレ平塚ジュニアユース、湘南ベルマーレユースを経て、'01年よりヴァンフォーレ甲府に所属。'02年より京都パープルサンガへ期限付き移籍し、翌'03年完全移籍。今シーズンは、左サイドアタッカーのポジション定着を狙う。U-18日本代表として、世界大会にも出場。背番号8。

實好礼忠(ガンバ大阪)
'72年愛媛県生まれ。南宇和高校から立命館大学に進学。'95年ガンバ大阪入りし、33歳を迎えた現在までガンバ一筋でプレイ。ベテランらしい安定感のあるDFとして、'06年はガンバ大阪のチームキャプテンを務める。背番号4。

下村東美(セレッソ大阪)
'80年北海道生まれ。札幌第一高校から大阪体育大学に進学。'03年セレッソ大阪入り。昨シーズン、チーム不動のボランチとして急成長。持ち前の身体能力の高さを生かし、今シーズン、更なる活躍が期待される。背番号23。

朴康造(ヴィッセル神戸)
'80年兵庫県生まれ。滝川第二高から京都パープルサンガ入り。その後、城南一和(韓国)を経て、'03年よりヴィッセル神戸に所属。元韓国代表として、国際Aマッチ5試合に出場し、1得点をあげている。背番号7。
司会:「ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2006 Vol.49~関西4クラブ 2006Jリーグタイトル独占宣言?!」へお越しいただき、ありがとうございます。このトークバトルですが、皆さんもうおなじみの方もいらっしゃると思います。サッカーはもちろん、ラグビーやテニスといったスポーツにまつわる熱いトークを毎回繰り広げておりまして、今回でなんと49回目。50回目まであと1回、リーチという状況になっております。大阪で開催されるのは昨年の7月以来ということで、今日のイベントを楽しみにしていらっしゃった方も多いと思います。久々の大阪でのトークバトル、皆さんと一緒に盛り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
会場:拍手
司会:今日は2006年2月27日。今週末の3月4日からいよいよ2006年のJリーグが開幕となります。もう眠れない! 興奮している方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。昨シーズンは最終節までもつれにもつれた結果、地元ガンバ大阪が見事に関西に初のタイトルをもたらしてくれました。まさにアメイジングな展開で、関西のJリーグも盛り上がりましたよね、皆さん?
会場:拍手
司会:ありがとうございました。果たして、今シーズンはどのような結果になるんでしょうか。今年も関西のチームがまたタイトルを持って帰ってきてくれることをみなさん願っていると思います。今日はイベントのタイトル「関西4クラブ 2006Jリーグタイトル独占宣言?!」にもあるように、昨シーズン以上に盛り上がっている関西の4チームから、選手お1人ずつにお越しいただいております。今シーズンの抱負や各チームの状況、あるいは注目選手など、いろいろうかがっていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。それでは本日のホスト役をご紹介します。浦和レッズで活躍され、現在はスポーツキャスターとして多方面で活躍されていらっしゃいます、水内猛さんです。
会場:拍手
司会:こんばんは。
水内:よろしくお願いします。
司会:よろしくお願いします。
水内:熱い拍手ありがとうございます。イヤ~すごいですね。ちょっとびっくりしましたけど。
司会:大阪のみなさん、やはり熱心ですよね。
水内:そうですね。裏で選手がビビッてます。
司会:そうですか。水内さんはどうですか、今シーズンもうすぐ開幕しますけど、どのあたりに注目されていらっしゃいますか。
水内:今シーズンはドイツ・ワールドカップもありますし、選手たちのモチベーションは非常に高いと思うんですよね。僕は浦和レッズ出身だったので、レッズ寄りになってしまうんですけど、この間「2006ゼロックス スーパーカップ」(2月25日、国立競技場、浦和レッズ3-1ガンバ大阪)を観た方も、「あれ、ちょっとレッズ強いかな?」という錯覚をしてしまいますけども。こればっかりは、やってみないとわかりませんから。ただ、小野伸二が帰ってきましたし。また、楽しめる選手、観て楽しいという選手もいますし。
司会:一昨日は、ガンバ大阪は非常にいい戦いをしました。
水内:そうですね。また今週末ガンバとレッズ戦(3月4日、万博競技場)ですから。
司会:また戦うんですね。
水内:そうなんですよ。ガンバも去年ああいう形で優勝しましたし、セレッソ大阪も残念ながら優勝を逃しましたけど、最後の最後まで優勝争いをしましたからね。今シーズンもまた関西のチームも含め、Jリーグが盛り上がることは間違いないと思いますので。その盛り上げに必要な選手たちが、今日は来ていますからね。
司会:今日はそのあたりを、いろいろうかがっていただければと思います。そして今日は水内さんと共に、もう1人素晴らしいゲストをお招きしております。
水内:素晴らしいですか? 素晴らしいですよね。
司会:元日本代表で、現在はサッカー解説者でいらっしゃいます。武田修宏さんです。
会場:拍手
水内:ダルそうに来ない!
武田:こんにちは。
司会:武田さん、風邪をひいていらっしゃるんですってね。
武田:そうなんですよ。昨日テレビでニュース番組をやって、そのまま来たんで。
司会:あまり体調がよろしくない?
武田:いやいや、大丈夫です。今日は選手が主役なんで、僕はお手伝いということで。
司会:さっそくですが武田さん、今シーズンもアメイジングなリーグになりそうな予感がするんですが。
武田:今シーズンは東京ヴェルディ1969がJ2に落ちちゃいましたからね。まぁ厳しいですよね。一応、僕も関西の京都パープルサンガに半年いたんで、関西にも興味を持ちながらやってるんですけど、なかなか盛り上がりにくいんですよね、関西ってね。
司会:そんなことないですよね、皆さん。
水内:何いきなり言ってるんだよ。盛り上がってるから来てるんじゃないですか!
武田:もっと盛り上げるために、関西から全国に流れてる番組とかやるじゃないですか。そういうのに選手がバンバン出たら、もっと盛り上がるのかなと。結構、関西から全国ローカルのテレビ番組をやってるので、そういうのに出たらもっと人気が上がるのかなと思います。
司会:今日もいろいろな話が聞けると思いますので、いいきっかけになればと思っております。それでは関西のJクラブ4チームから本日のゲストをお招きします。京都パープルサンガより、左サイドのテクニシャン、美尾敦選手。
会場:拍手
司会:ガンバ大阪から、ガンバ一筋、今年はキャプテンとしてチームを引っ張る實好礼忠選手。
会場:拍手
司会:続いてセレッソ大阪より、副キャプテンとしてチームを引っ張る下村東美選手。
会場:拍手
司会:そしてヴィッセル神戸より、俊足ファイター、朴康造選手。
会場:拍手
司会:皆さん、もう一度大きな拍手をお願いします。
会場:拍手
水内:選手の皆さんは、「関西を今年は俺たちが盛り上げるぞ!」という気持ちを込めて会場の皆さんの写真撮影に応じていただければと思います。さすが實好君、最年長。わかってる。4人で肩組んで。いい感じですよ。
会場:拍手
水内:それではいろいろとお話を聞いていきたいと思います。大丈夫ですか、武田さん。
武田:大丈夫です。

質問美尾實好下村
Q1 開幕に向けて、あなたのコンディションはバッチリ整っている。YESNOYESYES
Q2 自分のクラブに、コイツにだけは負けたくないというヤツがいる。NOYESYESNO
Q3 自分のプレイが誰かに影響を与えてくれるのなら嬉しい。YESYESYESYES
Q4 1ステージ制より、2ステージ制の方が楽だ。YESYESNOYES
Q5 J2の年間48試合より、J1の年間34試合の方が楽だ。NONONONO
Q6 昨年、関西のJリーグはほかの地域に比べて盛り上がっていた。YESYESYESYES
Q7 同じ関西のクラブとの対戦は、ほかのクラブとの対戦より気合いが入る。YESYESYESYES
Q8 監督との相性はいい。 YESYESYESYES
Q9 今シーズンも関西のクラブがタイトルを取る。YESYESYESYES
Q10 今年Jリーグで優勝するのはウチのチームだ。YESYESYESYES
Q11 日本はドイツワールドカップでベスト16以上には入れる。YESYESYESYES

水内:このイベントで恒例の11の質問のコーナーに移りたいと思います。まず「開幕に向けて、あなたのコンディションはバッチリ整っている?」という質問をしましたけど。美尾選手から。調子はいいですか?
美尾:はい。コンディションは万全ですね。
水内:どうですか、結構トレーニングしてきました?
美尾:そうですね。今は走り込みの時期だったんですけど、厳しい走り込みをずっとやってきたんで、万全です。
水内:走りました?
美尾:走りましたね。別に走るの好きじゃないんですけどね。あんまり好きな人いないですからね。
水内:わかりました。じゃ下村選手。コンディションの方は?
下村:そうですね。キャンプが終わって、この1週間で疲れがどっと来たんですけど、ラスト1週間しっかり作っていきます。
水内:キャンプはグアムでしたっけ?
下村:いえ、高知と宮崎です。国内で。
水内:全然違いましたね。さっき誰か「グアム」って言ってたかなぁと思って。ヴィッセル神戸でしたね。練習試合なんかもしてきて。
朴:そうですね。
水内:チームとしてのコンディションはどうですか。
朴:上向きだと思いますね。でも不安もあります。
水内:開幕に向けて。じゃ、朴選手自身は?
朴:そうですね。コンディションは上向いて、みんなすごくいいと思います。
水内:バクスター監督(ヴィッセル神戸)はどうですか?
朴:シンプルな、今ヨーロッパで主流のサッカーをやろうとしています。4-3-3。あ、言っちゃったらヤバイかな……
水内:大丈夫ですよ。開幕戦の相手はどこでしたっけ?
朴:え~っと、ザスパ草津です(2006年3月4日、神戸ウイングスタジアム)。
水内:大丈夫です。草津の人はいないですよね? 草津からここまで来るの大変ですから。4-3-3。そうすると朴選手は前めの右サイド?
朴:はい。
水内:じゃ、今シーズンはより攻撃的に。楽しみですね。
朴:僕のこと知ってます?
水内:知ってますよ。7番でしょ? 結構、神戸の試合観てますよ、僕。
朴:あ、そうですか。
水内:7番でしょ? 知ってますよ。
朴:何回言うかなぁ。
水内:右サイドからガーッと切り替えてね。武田さんはコンディションはどうですか。
会場:笑い
武田:俺のコンディションはいいよ。先週「ゼロックス スーパーカップ」やって、ちょっと風邪引いた。でも若いですよね、みんなね。
水内:自分が歳なんです。
武田:松永(成立、京都パープルサンガ・キーパーコーチ、元日本代表)さんとか、松山(博明、元ヴィッセル神戸コーチ)さんとかが近い歳なんだよね。どんなサッカーをチームごとのカラーでやるのかすごく楽しみですね。
水内:そんな中、昨年のJリーグ王者、ガンバ大阪の實好選手は、コンディションは非常に悪いと……あ、そこまで言ってないですね。良くないと。
實好:非常に悪いです。
水内:あ、そう?
實好:チームは宮崎の綾町で合宿を10日間くらいしたんですよね。みんなが走り込みしてるときに、僕自身は午前中に1時間温泉、昼から1時間温泉、夜1時間温泉の毎日で。
水内:辛いですね、それも。
實好:逆に辛いですけどね。そんな状態で。
水内:それはどこのケガ?
實好:恥骨って言うんですかね。
水内:サッカー選手の職業病ですね。中山(雅史、ジュビロ磐田)選手もそうですし。
實好:そうですね。たくさんいます。
水内:中田(英寿、イングランド・ボルトン)選手とか。サッカー選手はほとんどといっていいほど、このへんは痛いんですよ。わかりづらいと思うんですけど。寝返りも打てないくらい痛いんでしょ。
實好:痛いですね。寝返りもまだできないですね。
水内:歩いてるのに?
實好:歩くのは少し。寝返りはホントできないです。
水内:じゃあ、まだメドは立っていない?
實好:今のところまだ。メドを立てずにじっくり。
水内:實好選手といったら去年優勝して、その次の日ちょっと辛い思いをして、またちょっとラッキーなところもあり。諦めてはダメですよ、みんな。いろいろありますから。でも今シーズンは一応キャプテン。一応なんて言っちゃいけない、ゲームキャプテン。
實好:何かキャプテンになっちゃって、大丈夫かなと思って。
水内:でもケガしていても、裏からチームを支えて。
實好:そうですね。
水内:「AFCアジアチャンピオンズリーグ」もありますし、早く回復してくださいね。同じねずみ年なんですから。
實好:そうですね。
水内:お願いします。まだまだ頑張ってもらわないといけませんからね。さあ続いて、「自分のクラブに、コイツにだけは負けたくないという選手がいる」という質問ですが、これは美尾選手はNOということですが。
美尾:そうですね。特にコイツというのはないですけど、自分の思うようなプレイをすれば勝てると信じて今までやってきたんで、コイツというのはないですね。
水内:ポジション的にかぶる選手はどの選手になるんですか?
美尾:うちの場合、中払(大介)とか、キャプテンをやってる選手なんですけど。あの選手もイベントに行くとよく喋ってるんで、今日は僕がここに来て喋らないと。まず喋りから勝っていかないとなって。
会場:笑い
水内:確かに、彼もよく喋りますね。
美尾:彼はホントによく喋るんでね。そこはまず負けないようにしようかなと。
武田:それ、すごく大事。僕もそれだけで頑張ってきましたからね、Jリーグ時代は。
水内:なるほどね。じゃあ、特にプレーでは。
美尾:そうですね。まぁ、要所要所でポジションで入るのはいると思うんですけど。「自分がライバル」というか、そういう風にやっていきたいなと。めちゃめちゃカッコイイこと言いましたね。
水内:そうよ。「ライバルはいない」と言って試合に出てないと、「もっとライバル心を持てよ」と思う人たちもいるかも知れませんけど。
美尾:まぁ、そのへんは目つぶっといてください。
水内:必ず出てくると。
美尾:そうですね。
水内:實好選手は? いない?
實好:いや、いる。やっぱり同じポジションで、いい選手がたくさんいるんで。その人たちに負けないようにして、試合に出られるようにしたいですね。
水内:この前の「2006ゼロックス スーパーカップ」では明神(智和)選手が先発しましたけど、どうですか、明神選手のプレーを見ていて。
實好:明神選手は中盤の選手なんですけど、守りもしっかりしてるんですよね。
水内:何かイヤそうにしゃべってるね。
實好:何かね~、あんなところで活躍してもらっちゃ困るんですけどね。
水内:ちょっと前でやっておけと。
實好:もうちょっと前で前で。
水内:あとシジクレイ選手に宮本(恒靖)選手。
實好:山口(智)選手。あと京都(パープルサンガ)からも手島(和希)選手が来ましたから。
水内:そうか。それはちょっと困りますね。
實好:はい。たくさんいい選手がいて大変ですね。
水内:同じポジションですからね、やっぱりね。
實好:はい。
水内:それはもう経験で。下村選手は?
下村:そうですね、特定の選手というより、同じチームの誰よりも活躍したいという気持ちはありますね。
水内:ポジションとかではなく? チームで一番活躍したい。
下村:美尾選手みたいにトークで勝つっていうのはできないんですけど、それは諦めてるんですけど……
水内:いいじゃないですか、顔で勝ってるみたいでね。
美尾:聞きました? さっき。ステージに入ってきたら、「トミ~」って聞こえましたよね。他は誰も言ってくれなかったですよね。
水内:言ってる、言ってる。
美尾:サクラサクラ。呼んできてくださいよ。
会場:笑い
水内:だいたいボランチのポジションをやるわけじゃないですか。今年は山田卓也選手も、河村(崇大)選手も入ってきて。どうですか、チームの活性化は。
下村:そうですね。今は河村選手と組む機会が多くて、お互いに刺激し合ってやれていると思いますけど。
水内:ファビーニョ(ブラジル・サントス、元セレッソ大阪)選手が去年は活躍しましたから、いなくなってどうですか。
下村:サポーターの方からはファビーニョの後釜というか、同じプレーを期待されているような感じがしますがチームとしても、同じサッカーというのはなかなかできそうにないですね。彼の抜けたあとが大きくて。そこまで期待されるとやっぱりキツイです、正直。
水内:最初は下村選手、結構前向きだったけど、だんだん後ろ向きになってますね。「行きかけたけど戻ろうかな」みたいな。「とりあえずやめとこうかな」なんて、自分にストップかけてないですか? 行っちゃっていいですよ。でも、やっぱキツイの?
下村:正直キツイです。そのうちじっくり行きます。
水内:それだけファビーニョ選手の存在感っていうのは……
下村:大きかったですね、やっぱり。
水内:黒部(光昭、浦和レッズ)の穴は別に大丈夫?
会場:笑い
下村:いや、大きいです。
水内:大きいですよね。それと、西澤(明訓・セレッソ大阪)選手が1年間ちゃんとやってくれないとね。彼もホントに頑張ってもらわないと。じゃあ、ちょっと不安を感じる所はありますね。
下村:はい。不安ばかりです。
水内:でも、試合中はそんなことないでしょ。試合中はバンバンやってるから。
下村:わかんないですよ。
水内:じゃ、あまり期待しないでください(笑)。朴選手は? 負けたくない選手はいないんですよね。
朴:そうですね、まぁ別に。ライバルとか、意識したことがあんまりないんで。
水内:これまでもないですか?
朴:そうですね。ポジションでかぶるときは何回かあるんですけど、その選手を意識したら自分のプレーができないんで。そういうときは自分のプレーを心がけることを意識してます。
水内:僕なんかはどっちかというと意識しまくってましたけどね。フォワードというポジションなんで。武田さんなんかもね……寝てたでしょ、今。
武田:いやいや、分析してたの。いろいろチームの去年と違うところとか、こういうシステムでこうなるのかなとかね。しっかり聞いてるのよ、人の話をね。
水内:武田さんだって現役時代はいろいろなライバルがいたと思いますけど。どうですか、そういうチーム内の競争というのは?
武田:競争はね。エジムンド(元東京ヴェルディ1969、元浦和レッズ)とか、いい外国人が来ても負けないっていう気持ちはみんなと一緒ですよ。
水内:あんまり意識しなかったですか?
武田:いや、意識はしますよね、フォワードならね。その負けないという気持ちがないと、プロではやっていけないですからね。
水内:じゃ朴選手はプロ選手として失格ですか?
武田:いや、そういうことはないけどね。謙虚なんだよね、すごく。優しいんだよね。チームの和も大事ですしね。
水内:でも、どこかであるとは思うんですけどね。でも、そんなに意識はしない。
朴:そうですね。
水内:3問目、「自分のプレイが誰かに影響を与えてくれたら嬉しい」というのは、プロとしてどんなプレイを見て欲しいとか、影響を与えられたらいいなと思います? トークも含めて。
美尾:そうですね。まぁ、トークメインで……というわけにはいかないですけど。
水内:試合中は何を喋ってるか聞こえないからね。
美尾:やっぱり観に来てくださった方に楽しいなと思ってもらえるサッカーをしたいと思っていますし、自分自身も楽しんでサッカーやっているときの方がいいプレイだと思うので、サッカーが好きな方もあまり興味なかった方も、観て楽しんでもらうことで心地よく思ってもらえればいいなと思います。
水内:美尾選手はレフティー?
美尾:はい。
水内:その左足を見て欲しいとか?
美尾:そうですね。右は見なくていいんですけど。
水内:見ちゃダメなんだ。
美尾:見ちゃダメですね。そういうわけにもいかないんですけど、やっぱり左利きなので左足でずっとやってきたんで、そういうプレイを見てもらいたいというのはありますね。
水内:實好選手は? もうベテランですけれども、何か意識していることあります?
實好:う~ん、特にはないですね。
水内:意識するほどじゃないかも知れないですね。
實好:まぁ、密かに感じてもらえれば。
水内:1回ちょっと落ちかけたけど、またはい上がったこととかね。さっき實好選手も言いましたけど、やっぱり諦めちゃいけないという気持ちをね。
實好:プレイもそうですよ。最後まで頑張って足を伸ばす。そうすると、ボールが当たってくれるんですよ。
水内:すごいディフェンダーの言葉だよね。フォワードだったらそんなこと言わないですもんね。自分勝手ですからね。下村選手も何か影響を与えたらいいなとか、何かありますか。
下村:子どもたちが真似してくれたりしたら嬉しいですね。声かけてくれて。
水内:自分が小さい頃、影響受けたプレイとか、選手とかいます?
下村:『キャプテン翼』の岬くんですね。
水内:翼じゃなくて岬くん。
下村:はい。ちょっと影の存在なんですけど活躍している。
水内:なるほどね。あれ、誰が好きかで分かれるよね、小学校の時にね。
下村:翼くんか、岬くんか。
水内:日向派とかね。俺なんかわがままだから日向とかそんな感じだよね。朴選手は『キャプテン翼』では誰が好きですか。
会場:笑い
水内:すごいキャラが出るかも知れない。
朴:カルツですね。
水内:ドイツのね。ほら出てきたじゃない。
朴:出てきましたね。自分もびっくりしました。
水内:やっぱり自分のプレイで影響を受けたりとか、受けた選手とかいれば。
朴:そうですね。自分はカズ(三浦知良、横浜FC)さんとか、武田さんとか。
水内:朴選手は何歳ぐらいの時にJリーグ開幕だったの?
朴:僕は中1とかそんなもんです。
水内:ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ1969)が一番強かった頃だ。僕らなんか弱かったですけども、ヴェルディ川崎は強かったですからね。
實好:ヴェルディ川崎はホンマ、すごかったですからね。
武田:過去に行かなくていいから。
水内:あのチームがまさかJ2に落ちるなんてね。
武田:ラモス(瑠偉)さんが監督として頑張ってくれますよ。
水内:そうですよね。皆さんも子どもに夢を与えてくれますし、ひとつひとつのプレイが大事ですから。しっかりね。
美尾:学校の先生みたいになってるじゃないですか。
水内:そうそう。そろそろ他人の話に皆、かんでいってもらおうかなと思って。ひとりひとりに話を振っていくのが面倒くさくなっちゃった……そんなことないんですけどね。
實好:僕はね、キャプテン翼は石崎くんが好きなんですよ。
美尾:それ、さっきからちょっと言いたそうにしてました。
水内:ごめんね。向こうから先にキャラ出ちゃったからさ。
實好:いつ言おうかなと思って。
水内:そんな感じで。全然大丈夫だから。
實好:やっぱりね、体を張る顔面ブロックみたいな。
水内:まぁ、いろんなキャラがありますからね。常に体を張る。大事なことです。先ほど「1ステージ制より、2ステージ制の方が楽だ」という質問がありましたけど、1シーズン制の方がいいと答えた人は誰でしたっけ?
下村:僕です。
美尾:めちゃくちゃ俺の方見てましたよね。
水内:下村選手は1ステージ制の方が楽?
下村:そんな気がするんですけど。シーズンが確かに長くは感じるんですけど、逆に間があいてしまったり、休みが入るとまたキツイ練習がやって来るんで。
水内:でも、基本的には休みは毎回あるじゃないですか。1stステージ終わって1カ月、試合がないときもあるじゃないですか。不規則ですけど、やっぱりずっとやった方がいい?
下村:その方が気が楽かも。
水内:でも去年2ndステージがあったとしたら、優勝してるのセレッソ大阪ですよ。
下村:みたいですね。
水内:2ステージ制なら、鹿島アントラーズとセレッソ大阪なんですよね、優勝しているのは。
下村:わかりやすいのはわかりやすいですよね。最後の方はまたバタバタして、危なかったかも知れないですね。
水内:ちょっと、また後ろ向きになる! それを知っていたら、またちょっと違っていたと。あんなに連勝してない?
下村:って思うところもあります。
水内:そうか。でも、結局16試合でしたっけ、無敗で、最終節も負けてないんですもんね。
下村:そうです、負けてないんです。
水内:森島(寛晃、セレッソ大阪)選手が、「記録は作ったよ」って言ってましたけど。
武田:でも、1位から5位になっちゃいましたからね。
水内:やっぱり1シーズンを通してやった方がいいと。美尾選手は今度初めて……じゃなくて、J2はずっとそうか。
美尾:そうです。J2はぶっ通しだったので、休憩を入れるのもいいかなと。こういうトークのイベントに出て、充電するのもいいかなと。
水内:ちょっと小銭稼いで、って。コラ!
美尾:リアルリアル。
水内:どうですか実際に。今度はJ1の方の1ステージ制ですが。
美尾:結果論だと思うんですけど、崩れたチームを立て直す期間が必要であったりとか、調子がいい部分では継続するのが難しくなるという部分はあると思うんですけど。どっちがいいかというのは難しいと思うんです。分かれてる部分で、もう一度相手のチームを分析したりする時間があると思うんで、いいかなと思います。
水内:一応、リセットできるからね。ゼロになるわけですからね。實好選手はどうですか。昨シーズンはぶっ通しで、最後に優勝したわけですけど。
實好:そうですね。
水内:ずっと2ステージ制でやってきたわけじゃないですか。
實好:基本的には1試合、1試合に集中して戦うことだけを考えて、去年も今までもやってきているわけで、あまり1ステージということは意識せずにっていう感じですね。
水内:あまり気にならなかった?
實好:そうですね。
水内:朴選手は? 
朴:ずっとぶっ通しでやってくれた方が中断期間もないから、走り込みとかないんで。
水内:やっぱりみんな走るのがイヤなんですね。
朴:ホンマに合宿だけがね。ずっと試合をやっててくれた方がいいです。
水内:まぁ確かに、コンディションが逆に整えやすかったりするもんね。でも皆さん、今シーズンはワールドカップ期間中も1ヵ月まるまるポンと試合がなくなったり。J2はずっとある?
朴:J2はワールドカップ期間中もあるので、僕らには関係ないです。
水内:ワールドカップを観てるヒマもないですもんね、時間的にね。
朴:はい。
水内:武田さんは2ステージ制ばっかりですけど。一応、話を振っておかないとさ。ヒマそうだし。
武田:いいよ俺は。選手じゃないんだから。気がついたことにからむから。
水内:ホント? 言わなきゃ、からんでこなそうだから。
武田:俺は聞いてるんだよ。
水内:放っておいたら、黙ってるんだから。ただ来て座ってるだけでギャラ持ってったら怒るよ。仕事なんですよ。
武田:違う違う。俺はみんなのチームの分析と……
美尾:さっきも言ってましたよ。
水内:振られたらそうやって言うって決めてるでしょ。
武田:なかなか全部のチームを分析するの大変だよ。解説してても、毎回両チームちゃんと名前も選手の特徴も全部頭に入れなきゃならないから。
水内:それは、覚えてましょうよ。長年見てるんですから。選手の移動はあっても、選手の特徴はさ。
武田:特徴もね、僕は絶対選手の特徴を書くんですよ、紙に。ちゃんと解説の時に。
水内:細かく書いてるんですよ。
武田:ちゃんと自分の目の前にメンバー表を置いておくの。「この選手はどうだ」って。そうやって書いたほうがいいんだもん。
水内:俺はそれを見て、「覚えろよ」と言ったんだけど、それはやり方ですけれども。武田さんは2ステージ制でずっとやってきたんですけども、ヴェルディ川崎は最初からセカンドステージ優勝して、チャンピオンシップ(1994年1月9日、国立競技場、ヴェルディ川崎2-0 鹿島アントラーズ/1994年1月16日、国立競技場、ヴェルディ川崎1-1鹿島アントラーズ~PK戦)に勝ったじゃないですか。
武田:1ステージ制だと、前半でもうダメだと切り替えがつかないじゃない。2ステージ制だと前半でダメでも切り替えていくことができるからいいかなと。クラブの戦略的に、1stステージから外人を補強していくチームと、1stステージは補強しないで、2ndステージから外国人を補強していくとか。てこ入れができるから。そういった意味ではどっちがいいとも言えないですけど、僕は2ステージ制の方が良くて。経営的なことを考えると、チャンピオンシップの2試合があった方がいいのかなとも思う。盛り上がりますからね。
水内:去年1ステージ制になって、最後にあんなことが起こるなんて(最終節まで勝ち点3差の中に5チームがひしめき、前節首位のセレッソ大阪がFC東京と引き分けたため、勝ち点1差 で2位につけ、川崎フロンターレ戦に勝利したガンバ大阪が逆転優勝)。僕はセレッソ大阪の試合を観ていたんですけど、どうですか、下村選手。あの試合は下村選手は出ていなかったですよね。
下村:いや、出ていました。
水内:そうか、もう復帰していたんだね。どうでした?
下村:このイベントと同じくらい頭が真っ白になってました。
水内:ホント?
下村:はい。
水内:そんなに緊張しないでくださいよ。でも西澤選手が1点取って、「これで行ける」というのはあったでしょ。
下村:早い時間帯での先取点はかなり大きかったです。
水内:でも追いつかれた。それでもまた早い時間に取って。
下村:そうですね。途中前半PKを取って、そこで外してしまって。
水内:はい、あれはゼ・カルロス選手。
下村:公式戦で外したことなかったんで。彼も頭が真っ白になってたんだなと。
水内:なるほどね。まぁ、勝たなきゃいけないという気持ちではありましたけどね。勝てば決まりだったわけですから。追いかけていた實好選手はどういったことを考えていたんですか。
實好:そうですね、僕自身は個人的にその時期にいろいろありましたんで(2005年11月に戦力外通告を受けるが2カ月後に撤回され、今シーズンのガンバ大阪残留が決まる)。
水内:それはもう聞いていたの?
實好:聞いてたんですよ。それで僕はシジクレイ選手がちょっと足を痛めて、後半から出場したんですけど、「あぁ、これが最後や……」と思いながら。優勝も何も、正直考えてなかったです。
水内:ガンバ大阪の選手としてピッチに立つのは最後だろうと。
實好:「よ~し、これは最後ちょっと頑張ろう」と思ってやってて、最後ロスタイムですか、大黒(将志、フランス・グルノーブル)がベンチの前で両手でVサインしてるんで。
会場:笑い
水内:そうそうそう。
實好:「何してんねや!?」って。
水内:大黒選手、やってましたね。あれテレビに映ってましたよ。
實好:「あ、そうや。勝って、優勝なんや」って。その時、初めてふと優勝のことに気づいて。僕自身はだからそんなに。「あぁ」と思いながらやってたんですよね。
水内:何か浸ってた感じで。
實好:そうです。「あぁ、最後のキックかな」みたいな。すみません、ちょっと寂しい感じで。
水内:ところが!
實好:ところがね。そんな感じでしたから。
水内:キャプテンですから。
實好:そうですね。頑張りますよ。


後編へつづく

取材・構成:CREW
撮影:新関雅士