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ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2007 VOL.57
「~どうなる!? 2007Jリーグ~」
【 開催日/会場 】 2月27日(火) 日本サッカーミュージアム 1F「ヴァーチャルスタジアム」

協力:社団法人 日本プロサッカーリーグ、日本サッカーミュージアム
2007年2月27日(火)、日本サッカーミュージアムに足を運んだ満員の観客視線が注がれる中、
2007Jリーグシーズンの開幕を告げる『ぴあトークバトル』が開催された。
白熱のトークの模様をフルバージョンでお届けします!

<ホスト>
水内猛(スポーツキャスター)
1972年神奈川県生まれ。旭高から'91年に三菱自動車工業(現・浦和レッドダイヤモンズ)入り。Jリーグ元年には、浦和で出場試合数18試合、7得点と好成績をおさめる。'96年ブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)に移籍。'98年の引退後はスポーツキャスターとしてテレビ・ラジオで活躍中。

<ゲスト>

澤登正朗(JFAアンバサダー/サッカー解説者)
1970年静岡県生まれ。東海大学体育学部卒業後、1992年から清水エスパルスに所属。2005年11月に、現役引退を表明。現役生活にピリオドを打つまで清水一筋に常に第一線で活躍し、歴代最多のJ1リーグ通算380試合に出場した。引退後は、JFAアンバサダーとして、サッカー教室などでサッカーのPRや普及に努めている。

城彰二(サッカー元日本代表/Jリーグ百年構想メッセンジャー)
1975年鹿児島県生まれ。鹿児島実業高等学校を卒業後、ジェフユナイテッド市原(現・ジェフユナイテッド市原・千葉)に入団。横浜マリノス(現・横浜 F・マリノス)を経て、レアル・バリャドリード(スペイン)、ヴィッセル神戸などでプレーし、2003年より横浜FC加入。2006年J1昇格、J2優勝に貢献し、同年現役引退した。J1通算230試合95得点、J2通算151試合44得点。国際Aマッチ通算36試合7得点。2007年より、Jリーグ百年構想メッセンジャーとして全国で活動している。

岡山一成(柏レイソル)
1978年大阪府出身。1997年Jリーグ2ndステージ第10節、横浜マリノスのFWとしてデビュー。大宮アルディージャ、川崎フロンターレなどを経て、2006年柏レイソルにレンタル移籍。元FWらしくシュートセンスにも優れ、昨季はDFながら10得点をあげ、チームのJ1昇格に貢献した。今季より柏レイソルに完全移籍し、「日立台劇場」の主役としてますますスタジアムを盛り上げる。背番号32

伊藤宏樹(川崎フロンターレ)
1978年愛媛県生まれ。立命館大学卒業後、川崎フロンターレに入団。ディフェンスの要としてほとんどの試合に出場しており、2002年にはJ2リーグ戦全44試合、2005年にはJ1リーグ戦全34試合でフルタイム出場を達成している。2005年からはキャプテンに任命され、チームを牽引。優れた身体能力を生かしたカバーリングで、今シーズンも活躍が注目される。背番号2


後編
水内:そして、「注目の新監督・新外国人がいる!」。澤登さんは?
澤登:新監督と言えるのかな、原(博実、FC東京監督)さん。
水内:新たにFC東京に戻った。
澤登:やはり原さんって理論がしっかりしていて、非常に攻撃的なんですよね。だから、見ていてもおもしろいですし、FC東京を変えるだけの力を持った指揮官だと思うんですよ。僕自身はとても興味を持ってますけど。
水内:新外国籍選手では?
澤登:新外国籍選手・・・
水内:今年鳴り物入りで来たのは誰ですか?
澤登:誰でしょう? 鳴り物系ですか? そこまではいないかもしれないですけどね。
水内:ワンチョペ(FC東京、コスタリカ代表)くらいですかね。
澤登:でも、あんまり良くないって・・・
:そういえばこの間、原さんから僕聞いたんですけど。
水内:聞いた? 小耳に挟んだ?
:小耳に挟んじゃいました。情報を流しちゃいますけど、ワンチョペは今あまり体調が良くないですね。持っているものは多分ものすごくいいと。だからそれがフィットしてくるまで、もうちょっと時間がかかりそうと。「開幕は間に合いますか?」って話をしたら「う~ん…」と言ってたんで。逆に平山選手(相太)が調子いいんで、そっちかなぁ、なんて話を小耳に挟んだんで。でも、体調が合えばものすごいと思いますよ。
水内:あのドイツ・ワールドカップのドイツ戦(2006年6月9日、ミュンヘン、ドイツ4-2コスタリカ)だっけ? あれを見ると彼のチームだし。あの独特のリズムは他にいないし。城さんは、監督という意味では誰か注目している人はいますか? 新監督というと限られてくると思いますけど。
:新監督では、僕も澤登さんと一緒で原さんですね。サッカーがおもしろいですね。見ている方もおもしろいので。
水内:原さんがおもしろい。
:そうですね。そういう方なので非常に楽しみにしていますけど。去年から横浜FCでやっている高木監督(琢也)が2 年目になられますけど。
水内:どうですか、高木さんは。
:いや、ものすごく理論派で。
水内:何で澤登さんの顔を見ながらしゃべるの?
:澤登さんも知ってるかなと思って。ものすごく勉強されて、奇跡に近いですね。今日ここに横浜FCのサポーターもいるかも知れないんですけど、奇跡に近いことを成し遂げて。奇跡ですよ。
水内:僕らは言えないですけど。やった本人は言えるけど。
:そうなんですけど、そのぐらいの戦力しかなかったものを一つにまとめあげて、優勝して今年はJ1ですから。今度は違った戦い方をするんじゃないかなという期待があるので、注目してみたいと思いますけど。
澤登:ミーティングとか長いんでしょ?
:長くないですよ。
澤登:昨日、横浜FCの練習を見に行って来たんだけど、ミーティングが長いんだよね。
水内:基本的にはそんなにみんなの前でしゃべるタイプじゃなかった高木さんがね、監督になって、やっぱりこう。
澤登:選手とちゃんとしゃべれてる? 大丈夫?
会場:笑い
水内:心配なところですよね。あの高木さんが大丈夫かなっていう。
:僕もやっぱり代表の時のイメージがあるので。一緒にやってきましたし、「しゃべらないのかな」と思ったんですけど、それはちゃんとしゃべって、コミュニケーションをしっかり取る監督なんですよ。
澤登:でも、やりづらい思うよ。高木さん、「カズさん」(三浦知良)って言ってたのに、「カズ」とか言ってたから。「そんな『カズ!』なんて言っていいの?」って聞いたら、「いや、監督だから」って。
会場:笑い
:逆にカズさんの方も気を遣ってるみたいですよ。「高木、高木」って呼んでたのに、「高木監督」とか。
会場:笑い
水内:そのへんは仕方ないですよね。選手の2人は、岡山選手は気になる監督とかいますか? 他のチームとかで。
岡山:やっぱりうちの監督の石さん(石崎信弘)が、僕らはJ2でしかやってないので、石さんのサッカーでJ1でやったらどうなるんやろって。石さんがいなかったら絶対に上がっていなくて、上がったチームは降格してないじゃないですか。それを実現したいという思いが強かったんです。本当に今年1 年はそういう1 年にしたいです。だから他のチームの監督とかどうでもいいです。
会場:笑い
水内:石崎監督を男にしたいと。
会場:拍手
水内:確かに石崎さんっていうのは、こう言ったら失礼ですけど、マンガのような世界。でしょ?
岡山:石崎くんのモデルになったのが石さんなんですよ。いや、ホントなんです。
水内:『キャプテン翼』の?
岡山:そうです。
澤登:ホント? 違うでしょ、それは。キャプテン翼って静岡なんだよ。
岡山:『キャプテン翼』の作者の高橋陽一さんと石さんが話していて、どういう小学校時代を過ごしていたという話で・・・って俺、もしかして騙されてるかも知れない。
会場:爆笑
水内:どっから聞いたの?
岡山:山根巌(柏レイソル)から。お兄ちゃん的存在が言ってて。「マジで? 石さんが?」って。
水内:それだったらすごいね。
岡山:つい1 カ月前くらいに知って。
澤登:プレースタイルはそうかも知れない。
水内:なるほどねぇ。
岡山:1回ちょっと確かめて、何らかの形で公表します。
会場:笑い
水内:ちょっと気になっちゃいますね、それ。俺、明日どっかで言ってる。
岡山:まだちょっと。
水内:でも、そういうことにしておきましょうよ。伊藤選手はどうですか。関塚隆監督のもとでやっていますけども、他にもいろいろ聞いたりしますか。
伊藤:監督はあまり言えないんですけど、やっぱり石崎さんにはすごくお世話になったので気になりますけど。
岡山:ちゃんと言っとくわ、明日。
会場:笑い
水内:石崎監督のやるサッカーというのはわかるんですか?
伊藤:あの頃と同じだったら。
岡山:あの頃はベティスのサッカーばっかり見てたんや。
水内:スペインリーグの?
岡山:スペインの。今はバルセロナばっかり。
会場:爆笑
岡山:エトー(サムエル、スペイン・バルセロナ)の動きを見て「これが!」って。誰がやれんねん、これ。
会場:爆笑
水内:あくまでも理想ですからね。
岡山:あの時はベティスでホアキン(サンチェス・ロドリゲス、スペイン・バレンシア、元スペイン・レアル・ベティス)な。
伊藤:すごい見せられました。
澤登:石崎さんはエスパルスにいた時もベティス。出世したんだ。
会場:笑い
水内:要はスペインサッカーということだよね。原監督もスペインを目標にしてますよね。城さんはスペインに行かれてましたけど、どうですか、日本人とスペインサッカーというのは?
:合いますよ。激しさとかは難しいところもあるんですけど、要は中盤ですね。ボランチから攻撃にかけては、絶対に日本人が行ってもいいと思いますね。行って充分やれますし。この間仕事でスペインに行ってたんですけど。
水内:カッコイイね。
:チャンピオンズリーグとかいろいろ見て、バルセロナのモッタ選手(ティアゴ、スペイン・バルセロナ)とかいるんですけど、僕の見解ではモッタ選手よりも日本人を使った方が上手くいくんじゃないのかと、バルサは。そういうのもありますし、充分に通用するので、もしもチャンスがあればスペインリーグに行ったらもっとどんどん成長できるんじゃないかと思うんですね。
岡山:でも、城くん、スペインから帰って来たときにマリノスのチームメイトに「あの国はダメだ」って。「ワインばっかり飲ませてくる」って。
会場:笑い
:僕はあんまりお酒飲まないんで。
水内:飲まされる?
:飲まされます。ドクターに飲まされるんです、試合の3時間前に。それ、ホントびっくりして。
水内:沢山じゃないでしょ?
:まぁ、グラスに1杯。「身体にいいから飲め」って。向こうは水感覚なんですよ。
水内:レストラン行ったら普通にボトルが置いてあるしね。飲み放題でね。でも、誰かに行ってほしいですね。それでは「優勝チーム予想は、すでに決まっている!」。澤登さん、優勝チームは?
澤登:決まってないですけど、今「2強」と言われてますよね。レッズとガンバと。まぁ言われてますけど、サッカーにはある意味、絶対はないので、やってみなければ当然わからないですよね。戦力的にはこの2 チームは非常にすごいですけど、ただサッカーは当然ケガ人も出たり、コンディションの問題などいろんなものがあると思うので。その2強に割って入るチームが当然フロンターレ、エスパルス、アントラーズもそうだし。まぁ当然・・・
会場:笑い
岡山:いや~。
水内:言わなかったら、俺が言うところだったのに、最後に。
岡山:優勝候補だよ? 勝ち点45、取るぞ!
会場:拍手
水内:45を取れば優勝っていうのはダメだよ。
澤登:でもね、やるからには優勝ということを思ってやらないとダメだよ。
岡山:僕らも最初「勝ち点45」って聞いた瞬間、みんな「中途半端だなぁ」って思ったんですよ。でも、監督やGMの話を聞いて、「そうか」と。本当にそれでチームはマジで、今年1 年はそういう目標でやる。それを非難する点はいっぱいあると思うんですよ。今日も来られてるサポーターの方の中で「何が45やねん!」という意見があるかもしれないですけど、僕らは納得してそれでやっていることなんですね。
澤登:当然優勝を目指して、最終的に勝ち点45以上を取れればいいという目標ですから、それはそれでいいと思うんですけど。やはり目標は高く持ってやらないと、いい成績を残せないですから。そのなかで、やはり2強を脅かしてもらいたいなというのはありますよね。
水内:ダークホースとしたらやっぱり鹿島、清水、そのへんが去年以上?
澤登:そうですね。なぜ僕が鹿島を押すかというと、マルキーニョス(元清水エスパルス)が入ったからですよ。去年エスパルスが非常に良かったのは、マルキーニョスの力も大きいと思うですよ。その選手がアントラーズに入ったとなると、アントラーズはかなり強くなると思いますよ。
水内:なるほどね。アントラーズは野沢選手(拓也、鹿島アントラーズ)がしばらく無理そうですけど、彼のケガも大きいですけど、マルキーニョスの補強というのは大きいですね。日本であれだけ実績残している選手ですからね。知らない選手を連れてくるよりも。
澤登:パワー、スピード、テクニック。
水内:バック宙もね。
会場:笑い
澤登:すごい。
水内:あれは確かにすごい選手ですよね。バック宙といえば城選手。
会場:笑い
:また「選手」って言った。
水内:どうですか城さん、優勝チームは?
:そうですね。やっぱり浦和にかかる期待ってすごく大きいと思うんですよ。あれだけのビッグクラブに成長して、選手もサポーターも優勝しなきゃいけないという自信がかなりあると思いますし。逆に浦和に優勝してほしいと思いますよ。日本をしっかり制覇して、アジア、世界に向けていけるようなビッグクラブになってもらいたいなという期待もあります。でも、「打倒レッズ」なんですよ。どのチームも「絶対に浦和には優勝させない!」という気持ちで戦ってきますから。だから僕は、フロンターレには頑張ってもらいたいなと思いますし、いいところまで昨年行きましたから、それを課題にしてほしいし。まぁ、ACLもありますけど、でも何とかリーグで優勝してもらいたいですね。
水内:浦和は去年、最初から出足もよかったし、とにかく連敗しなかったんですよね。
:そうですね。
水内:連敗しないっていうチームはやっぱり大きいですよ。
澤登:昨シーズンは6 敗ですよね、浦和。
水内:フロンターレは?
伊藤:8敗です。
水内:いま聞いたでしょ、そこのメガネのお父さんに。
澤登:つまり6 敗以上しちゃいけないっていうことなんですよね。
水内:引き分けはもちろんありますけど、やっぱり34試合の中で8 敗すると確かに置いて行かれますよね。去年もフロンターレもある程度安定はしていましたよね。最後の最後で2 位に食い込んだという感じでしたから。
伊藤:結果は2 位にはなりましたけど、やっぱり1 位の浦和との差は感じましたし。来年はそこに向けてという気持ちに去年はすごくなったので、今年は本当に打倒浦和で頑張りたいと思います。
水内:今年はぜひ優勝争いして、最後に優勝できれば最高ですよね。でも、今年はダントツっていうところはなさそうですけどね。混戦でしょう、今年も。
澤登:混戦でしょうね。本当にサッカーというのは、先ほども言いましたけど、やってみなければわからない。
水内:でも、それだけ混戦になった方が、我々としても楽しいですよね。ここからは選手お二人に聞きたいんですけども、まず岡山選手、どうですかここまでのコンディションは。チームの仕上がりとか、個人の仕上がり。もうすぐ開幕戦ですけども。
岡山:いろんな選手が変わったりしたところもあるんで、チームとしても去年やってきた部分と違う形を今やってるんですけど。それと僕らはJ1という舞台でやっていた選手が結構少ないんですよね。J2に落ちて、選手が若くなって、若い子らでJ1に上がって、という形なんで。
水内:フレッシュな気分で。
岡山:はい。だからまずは旋風を巻き起こしたいなと。
水内:楽しみで仕方ない?
岡山:もう「あと何日」って指折り数えて。
水内:そこまで楽しみ?
会場:笑い
岡山:でもね、今いろいろ言えることと言えないことといっぱいある。
会場:笑い
岡山:ホントに今、完成されたチームじゃないです、うちは。フロンターレみたいに何年かで作り上げてきたチームじゃないんで、どう出るか本当にわからないんですよ。良く出るか悪く出るか。だから、それは僕らも出たとこ勝負。
水内:なるほどね。先ほどホームアドバンテージを感じるということを言ってましたけど、柏のホームはこれまたすごいですけど。
岡山:それがうちの一番の武器です。
水内:どうですか?
岡山:それはもう、相手チームに聞いた方がいいんじゃないですか。
水内:どうですか伊藤選手?
岡山:宏樹はそんなに知らない。あっち、あっち!
水内:どうですか、城さん、柏のホームでは。
:二度と行きたくない。
会場:笑い
:選手としてですよ。
水内:突っつかれそうだもんね。
:しかも、グラウンドの作りが非常にいいですよ。本当に一体感があって。
水内:最高だよね、あのスタジアム。
:あれは柏の選手だったらすごく楽しんでできるときと、ものすごくプレッシャーを感じてるときとあると思いますよ。
岡山:それをサポーターの人たちがわかってくれたんです。自分たちが表現の仕方を間違えると選手にも良くないというのをわかって、去年すごくサポーターの人が変わってくれたから僕らもすごく変われて。一体になって、最後は一心同体になったんですよ。
水内:それは素晴らしいことですよね。
岡山:そうですね。だから、今年はもっとそれが試されるじゃないですか。去年はJ2で、勝てる試合なのに負けたときの対応だったのが、今年はなかなか勝つのが難しい中で勝っていく戦いなんで。僕らは勝った後は本当に「日立台劇場」といって、すごく一体感が出せる。もう伝統行事にしていくつもりなんで。10年、20年、100年後も。
会場:笑い
水内:もしかしたら、いずれ若い選手に引き継ぐこともあると。
岡山:試合もそうですし、サポーターの子供、孫の代まで。レイソルのサポーターの方、そうですよね。
会場:拍手
岡山:その気持ちで、そのために大事な1 年になると思ってやってます。
水内:伊藤選手は、ここまでのチームの調子というのはいかがですか。
伊藤:先ほど最近注目している外国人という話がありましたが、フロンターレの左サイドにフランシスマールという若い選手が入って、ケガしちゃったんですけど、この選手は本当にすごいんです。
水内:いきなりのケガで。
伊藤:大きなケガ人が出ちゃいましたけど、それ以外のケガ人は特になく、練習試合を含めて今のところ順調に来ています。
水内:やっぱりフロンターレもホームアドバンテージを感じますか?
伊藤:最近サポーターが増えてきて、アウェイにも駆けつけてくれて、すごく心強いという感じがしますね。
水内:「アウェイ遠征は嫌いだ!」という質問はどうですか。伊藤選手はそんなに嫌いじゃない?
伊藤:飛行機や電車に乗る一人の時間が好きなので。
水内:移動がね。じゃ、旅行とかも一人で行ったりするの?
伊藤:それはしたことないですけど。
水内:山手線一周、ズーッと一人で座ってたり?
会場:笑い
伊藤:そんなことはない。
水内:岡山選手はアウェイはあんまり好きじゃない?
岡山:乗り物とかは全然大丈夫ですよ。ただ、結果が僕ら全てじゃないですか。でも、ホームの勝率とアウェイの勝率の差が去年はあまりにもひどかったんで。
水内:そんなにひどかったんだ。
岡山:最後は、自分たちでもいろいろ変えようって、食事の時間とか洋服とかもいろいろ変えても、アウェイでは・・・だから、それは本当に自分たちの情けないところで。ホームの大観衆でノビノビやれて、アウェイにもサポーターがすごく駆けつけてくれてるのに、それができへんていうのが。本当に僕らもいっぱい話したんですよ、みんなで集まって。J2のアウェイって独特なんですよ。それはもう本当に切り替えてやっていこうという話はしているんで。去年の二の舞はしない。
水内:澤登さんは、いろんなスタジアムの雰囲気とか、そういうの気になるところあります? もちろんエスパルスもそうですけど。
澤登:そうですね、やっぱりレイソルは近いですよね。僕なんかフリーキックやコーナーキックを蹴るんで、コーナーはね。
会場:笑い
澤登:さすがにすごい言葉が飛んでくるんですよ。それにじっと耐えながら。
水内:放送席にも聞こえてくるときがありますからね、マイクが拾って。
澤登:すごく近すぎてイヤだ。
水内:レイソルのコーナーキックで、こっち側だとサポーターがバーッとこっちに来て、向こう側だとまた向こうにバーッと移動するのを見てるとおもしろいんだけどね。「また来た!」と思うでしょ。
澤登:そう。だから味方としてはいいかもしれないですけど、アウェイ側のチームとしてはイヤな所ですね。あとはレッズですよね。埼玉スタジアムはすごい。
水内:でも、埼玉スタジアムでやるのを楽しみにしている選手もいますからね。アウェイのチームも。
澤登:そう。僕なんかは結構楽しみなんですよ。ブーイングされるのが気持ちがいい。試合の前に名前を呼ばれるだけで、「ブーッ」と言われると「あっ、認められているんだな」って。逆にあの応援が味方になってくれるんですよ。
水内:なるほどね。でも、確かにそうなんですよ。本当に相手チームの監督であったり、認めてる選手や、レッズから移籍した選手に対して、非常にブーイングを浴びせるというか。またそれが認めているっている証拠なんですよね。
澤登:そうですね。
水内:それはでも、どこのチームも同じだと思います。城さんはいかがですか。
:各チームのサポーターって色があると思うんですよね。特徴がありますし。そういう風にいろんな色を出しながら応援するのは、選手にとってそういう意味では力になるじゃないですか、絶対に。やっぱり浦和レッズみたいに、あれだけの観衆が来てもらえると、選手としてはものすごくテンションが上がるんですよね。かたやJ2の、去年の横浜FC対水戸ホーリーホックなんていう試合みたいに、クラブ運営の資金の少ないチームは、本当にお客さんが入らないんです。頑張りますけど。頑張りましょうね。だから、そういうのを増やしていくのも選手の仕事だと思うんです。ピッチでいいプレーをして、お客さんを集める。そしてまた、サポーターと一体化できる。また、小さいクラブはクラブなりに一体感がすごく強いんですよ、サポーターとの。だからそういう部分では、どっちがいいのかなと選べないと思いますけど、少しずつサポーターも打倒・浦和レッズという感じでどんどん応援してほしいなと思いますね。
水内:横浜FCも、横浜F ・マリノスと3 月中にあるんだよね、試合がね。
:すぐですね、第2節(2007年3月10日、三ツ沢公園球技場)。
水内:三ツ沢ですよね。完売でしょ。
:完売です。僕が一応解説をやる予定なので。
水内:この三ツ沢でやる意味というのがね。もともと横浜フリューゲルスのファンだった方で横浜FCのファンになった方もいらっしゃると思うし、いろんな思いが詰まってると思いますけどね。
:そうですね。横浜ダービーで、両方とも青とかブルーとかっていう色がね。
水内:一緒じゃない。
会場:笑い
:一緒ですね。横浜FCは水色なんですけどね。だからちょっと青色に染まって、一体感になるんじゃないかと思いますね。
水内:山口さん(素弘、横浜FC)なんかは、いろんな思いがあるんじゃないですかね。
澤登:そうだよね。
水内:思ってもみなかったでしょう、多分ね。
:泣くかもしれませんよ。
水内:試合前に?
:試合前に。キックオフの笛が鳴った瞬間に涙が出てくるかもしれないですよ。
水内:泣きながらプレーしたり。
:そうですよ。それだけ多分思いは強いですし。
澤登:クラブハウスのロッカールーム、以前使っていたところを使ってるみたいよ。
水内:そこでまたキャプテンをやるというのはね。ここまでやってなければできなかったことだし。
澤登:38歳。
水内:山口さんもまだまだ頑張っていますから、楽しみですけどね。さぁ、開幕戦ももうすぐですけど、伊藤選手、開幕戦に向けては? 準備万端ですか?
伊藤:万端です。
水内:初戦は鹿島(2007年3 月3 日、等々力競技場、川崎Fフロンターレ1-0 鹿島アントラーズ)。どうでしょうか鹿島は?
伊藤:去年は2 回勝ってるんですけど、今年は監督も外国人選手も3 人替わったので、本当はちょっと実力的にわからないところはあるんですけど、前評判を聞くと、すごくいいチームと言われているし、マルキーニョスにはすごくやられたイメージがあるので、本当に気を付けてというか、思い切りぶつかりたいです。
水内:やられたイメージっていうのは、やっぱりよくないですか、選手にとって。
伊藤:よくないですね。
水内:大丈夫ですか。
会場:笑い
伊藤:大丈夫です。
水内:そして、柏。
岡山:僕らは昇格したチームなのに、初戦(2007年3 月4 日、日立柏サッカー場、柏レイソル4-0 ジュビロ磐田)をホームでやらせてもらえて。
水内:それは大きいですよね。
岡山:日程表を見た瞬間「あぁ、ホームでやれる!」っていう。やっぱりそれは、そこで乗っていけるかどうかのすごく大事な戦いだと思っていますし、久しぶりにまたあの日立台でやれるというのはみんな喜んでますし。
水内:それはJ2の試合が終わってオフが明けて、また日立台でできるということで?
岡山:この前、ちばぎんカップ(2007年2 月18日、日立柏サッカー場、柏レイソル2-1 ジェフユナイテッド市原・千葉)で勝ったんですけど、みんなで話して、日立台で最後に「レッツゴー柏」ってダンスするのを、それは開幕戦で勝ってからやろうと。みんなで話したんで。それぐらいみんな開幕でジュビロに勝ってするって決めてます。
水内:柏のサポーターは、その時「あれ、やらないの?」って思っちゃったんじゃない?
岡山:だから僕が言いに行きましたよ。「勝ってやるから」って。
水内:「だから開幕まで待ってくれ」と。
岡山:はい。
水内:でも、ジュビロも決して良くはないっていう話も僕らも聞きますけど、澤登さんは見たんですよね?
澤登:僕はキャンプに行ったんですけど・・・
水内:岡山選手、澤登さんの顔をのぞきこんで熱心にメモを取る振りしてますが。
会場:笑い
澤登:ジュビロは前田(遼一)がケガ、中山さん(雅史)いましたけど、チーム的にまだ固まっていない。フォワードがいないんだよね。
水内:そうですよね。
澤登:西(紀寛)がやったり、太田(吉彰)がやったり。
水内:サイドアタッカー的な選手だよね。
澤登:ミッドフィルダーがフォワードをやってるっていうような状況なんだよね、今ね。苦しい台所事情だけれども、力は持った選手が多い。昨年も「悪い悪い」と言いながら5位まで上がってきましたから。
水内:そうそう、後半ね。
澤登:悪い中を5 位ですから。
水内:上位のチームに勝ったんですよね。
澤登:最後ずーっと連勝していったんですよね。
岡山:去年、天皇杯でジュビロとやってるんですよ。1-1でPKまでいって負けたんですけど(2006年11月4日、ヤマハスタジアム、ジュビロ磐田1- (PK9-8)-1柏レイソル)、それでやっぱり自分たちのサッカーは間違っていないという手応えをつかんだんですよ。まぁ、僕は出てなかったんですけど。
会場:笑い
岡山:本当に「石さんのサッカーはJ1でも通用する!」って、そこでみんなが。だから、ジュビロとやれるというのがまたみんな嬉しいと思うんですよ。
水内:ジュビロの次はどこですか?
岡山:アウェイで。
水内:開幕って知ってるんだけど、2戦目ってわからない?
:選手ってそんなもんなんですよ。
水内:柏はどこだった? アウェイでサンフレッチェ戦(2007年3 月10日、広島ビッグアーチ)、行けるでしょ?
会場:笑い
岡山:本当にそうですよね。言われてみると、開幕しか考えてなかった。
水内:意外に2戦目ってね。
:そうですよ。選手ってそういうものなんですよ。もうこの試合に懸けるだけなんで。僕も去年全くわからなかったですね。ミーティングで「次の試合は」って聞かれたことがあって、「いや、わかりません」って。
水内:次の相手のこと考えてやってないからね。
:選手にはそういう余裕はあんまりないですね。「とにかくこの一戦に集中しよう」っていうことだから。
水内:でも、ジュビロ戦、広島戦。開幕戦に勝ったら、それは大きいですよね。そう考えると。広島がダメなわけじゃないですよ。何となくね。フロンターレは開幕は鹿島とやって、ただすぐにACLが入りますよね。
伊藤:そうですね。すぐにインドネシアに行って。
水内:行くんでしょ?
伊藤:はい。
水内:それもまたタフですね、日程的に。しかも、みんな行ったことないのに。
伊藤:行ったことないです。
水内:で、帰ってきてアウェイですか? 神戸戦(2007年3 月11日、神戸ウイングスタジアム)、なるほど、行けるでしょ?
伊藤:・・・
会場:笑い
水内:関西だし、行けるでしょ? でも、神戸も結構いいって言うよ。
:神戸もいいですよ。J1で結構戦っていける戦力もありますしね。
水内:大久保(嘉人、ヴィッセル神戸)がちょっとケガしたりしてますけど。柏もそうですけど、今年J2から上がったチームは力があるし、勢いがありますからね。そういう意味では3月、特にフロンターレはACLが入ってきますから、この連戦は大事ですね。
伊藤:そうですね。最初が大事だと思うので気は抜けないです。
水内:ホントだよね。頑張ってもらいたいですけどね。さあ、そして「今シーズンの目標は、リーグ制覇だ!」。もちろんリーグ制覇というのもあるだろうし、勝ち点45というのも聞きましたけど、個人的な目標でもいいですし、チームとしての目標も含めて。
伊藤:去年フロンターレは攻撃力がすごいって言われて、80何点、Jリーグで一番点を取ったんですけど、いつも選手表を見るたびに僕だけ0点だったんですよ、得点が。
会場:笑い
水内:なるほどね。他のディフェンス陣は点取ってます?
伊藤:取ってるんですよ。だからホントに1点でいいんで。
岡山:行けよ!
会場:笑い
水内:10点取った男だからね。でも、コーナーキックのときとか上がってるんでしょ?
伊藤:上がってないです。フリーキックもコーナーキックも全部後ろで。
水内:そうだっけ? それは点取れないよね。だけど、何で上がらないの? 上がるなって言われてるの?
伊藤:はい。上がるなって。
水内:でも身長あるし、ヘディングも。
伊藤:弱いんです。
岡山:あとの2人がもっとでかいから。
水内:上がっちゃえばいいのに。
伊藤:守る人がいないんですよ。
水内:守る人がいないのか。
会場:笑い
水内:それじゃ守った方がいい。ディフェンスってだいたい上がったら戻るけど、岡野っているでしょ、野人。彼は昔、フォワードで攻撃なのにディフェンスに戻ったからね。普通フォワードって、小さくても何でもこぼれ球を狙うところがあるけど、岡野って足は速かったけど決定力もなかったから。
会場:笑い
水内:「お前、守ってろ」って。
澤登:守備力もない。
会場:笑い
水内:追いついただけっていう。あれはさすがに笑ったけどね。福田さん(正博、JFA アンバサダー、解説者)と二人で。「岡野、アイツあんなに戻ってるんだ」って。でも、伊藤選手には上がるタイミングがあればぜひやってもらいたいと思いますけどね。関塚さんからそれはダメだって?
伊藤:いや、流れの中でのオーバーラップは全然OKなので。あとはフェイントを岡山くんに教えてもらって、流れの中で1 点取りたいです。
水内:ぜひ。まだ1 点もない?
伊藤:はい。J1ではないです。J2ではコーナーキックでまだ上がれていたんで。
水内:J1になったらやらせてくれないんだ。
伊藤:はい。
水内:それは関塚監督になってからでしょ。
伊藤:そうですね。
水内:ぜひ今年はね。個人的には得点1 。
伊藤:おまけですけど。チームとしてはACL予選突破と、リーグ優勝できるように頑張ります。
水内:岡山選手は?
岡山:俺、個人的には、オールスターに出たいなぁ。
会場:拍手
岡山:僕の今年のライバルはひちょり(森本稀哲、北海道日本ハムファイターズ)なんで。
会場:笑い
岡山:あれには負けんパフォーマンスしたいなぁと。
水内:なるほどね。
岡山:やっぱりでも、ずっとJ2にいたじゃないですか。あの祭典に出て、いつもいいなぁと思って見てたんですよ。だから、やらしい話、選手名鑑とかに「今年の目標=オールスター出場」って。
会場:笑い
岡山:やっぱりそれだけ活躍していけば、例えばゴールを入れてヒーローインタビューとかになったら、そのたびに「お願いします!」ってマイクを持って。今はまだ小さい声でしか言えないですけど、そのうち「俺じゃなくて誰が行くの?」って。
会場:笑い
水内:そういう選手っていないでしょ、今。
岡山:そっちのキャラの方が先に行っちゃってるんで。実力もうちょっとつけないと。
水内:僕だってキャラ先行で行きましたからね、最終的に。
岡山:ちょっと狙ってます。
水内:でも、岡山選手はキャラ先行じゃなくて、まだまだ選手で充分やってもらわないと困るから。こっちの世界に来られたら困るから。
会場:笑い
岡山:大丈夫。僕はそんな、31歳でやめたりしないから。J1に昇格させて美談で終わるような。
水内:城、お前もうやめてんじゃないよ! そりゃ城「選手」って言いますよね。やれるよ。
岡山:ジュビロ、なんかフォワードいないらしいですよ。
会場:笑い
水内:アリじゃない? では、岡山選手はオールスター出場が個人の目標。チームとしては勝ち点45もありますが。
岡山:本当にやっぱり旋風を、石崎サッカー旋風を巻き起こしたいんですよ。僕らはそれをやっていて楽しいっていうか、心酔してるんですよ。僕が将来、指導者になってもああいうサッカーをしたいなと。そのぐらい石崎サッカーを見せたいんですよ。だからそれが通用して、どんどんやっていけたらいいなと思っています。
水内:じゃあ城さん、僕らはその石崎サッカーがどういうものなのか楽しみにしたいですね。
司会:それでは質問コーナーに移ります。まずは川崎Fフロンターレの伊藤選手と、柏レイソルの岡山選手に1人ずつお聞きしたいと思います。
水内:まず伊藤選手に質問がある方。
客1:ゼロックスカップで、ガンバが超攻撃的という言葉通りのサッカーをしてましたけど、それに対しての伊藤選手の感想と、リーグ戦に向けての対策というか目標というのを聞かせてください。
伊藤:申し訳ないんですけど見てないんです。
会場:笑い
水内:でも、ガンバの攻撃力というのは、去年も対戦していますけど。
伊藤:去年も4 点取られて、けっこう取られたので。まだ対策までは考えてないですけど、去年のフロンターレの課題として失点がすごく多かったので、今年はそこを改善しようとキャンプから取り組んできたので。大量失点はしないように、できれば毎試合0で押さえられるように考えているんですけど。
水内:今年、ガンバにはバレーも入りましたからね。バレーの印象はいかがですか。
伊藤:ちょっと怪物系の。
水内:「おいおい」って感じだけどね。
伊藤:ものすごいパワーがあるんで、すごく厄介ですね。
水内:でも、ガンバの対策は大丈夫ですよ。伊藤選手がこれからやっていきます。では、続いて岡山選手に質問のある方。
客2:ご自宅購入のご予定は?
水内:それはもちろん、柏にということですよね?
岡山:それね、もう30回以上聞かれてる。
水内:でももうそろそろいいんじゃないですか。
岡山:なんて言うんですか。去年は僕レンタルやったんで、すごく心苦しかったんです。自分の中でも。今年は完全移籍したんですよ、柏に。自分は柏に骨を埋める気で来たんで。
会場:拍手
岡山:それはもう、フロンターレサポーターの皆さんにはホームページで自分の思いを伝えましたけど。だから僕も、何て言うんですか、柏レイソルの一員として。
水内:質問としては、家を買うのか買わないのかっていう話なんですけど。
会場:笑い
:買ったみたいですよ。
岡山:買ってないですよ、ホンマにあの。
水内:まぁ、資金的な問題もいろいろありますからね。
:そういう意味では、柏の地主さんとか、いい物件があればね。
岡山:そういうことを言うと、うちのサポーターは本当にゲーフラ(ゲートフラッグ)で出してくるんですよ。「ここにあるぞ」とか。
会場:笑い
水内:そういうことは助けてもらった方がいい。
岡山:本当にポロッと言えないんですよ。何かいつの間にか。前に笑ったのは、知らぬ間に僕ゲーフラ持ってたんですけど、それに「岡山くん、私あなたの赤ちゃんがほしい。養育費はいりません」って書いてあって。
会場:笑い
水内:よかったね。
岡山:イヤ違う! それを俺が持って、踊ってたから「あれ本当だったんか?」とかね。ポロッと言ったことがゲーフラになっちゃうんですよ。あの、「買いたいな」という意志だけはわかってくださいね。頑張っていけば、グラウンドにはお金が落ちているので、それは本当、なんて言うんですか、頑張るんで、僕。今はとてもじゃないけどムリです。
水内:まだちょっと早いと、柏に家を買うのは。柏じゃなくても家を買うのは。でもおいおい買うと思うんで、いい物件があったらぜひホームページを通じて言ってあげてください。ではあと1名、誰か質問があれば。
客3:先日、大学 (順天堂大学) のOBでもある堀池巧さん(解説者)とちょっとお話する機会があったんですけど、まだまだ日本にはスポーツ文化というものとサッカー文化というものが根付いていないと話されていましたが、OBである3人の方は特にJリーグまたは日本サッカーには、どのような役割があるとお考えですか。
水内:なるほど。素晴らしい質問ですね。こういう難しい質問は澤登さんから。
澤登:やはりJリーグができたことによって、当然日本のサッカーのレベルが世界に通用するようになってきたわけです。以前僕たちがまだ学生の頃は、プロがなかったわけですから、そんな中でワールドカップに出ることは想像もできなかった時代でしたから、それがJリーグができたことによって、ワールドカップにも行けるようになった。そうなると、ワールドカップに行くことで日本中がまた一体になりますよね。だから、やはり日本のサッカーというのは根付いてきて、日本の中でもサッカーが浸透してきていますよね。
水内:難しいね。城さんは?
:僕はもちろんプレーも大事だと思うんですけど、Jリーグとしてもいろんな活動をしているんですよ。ここ宣伝しますよ。
水内:「宣伝じゃないんですよ」って言うのかと思ったら、宣伝するんだ。
:宣伝します。今、子供たちの間で、もちろんサッカーもそうですけど、スポーツができる環境が少ないんですね。Jリーグは「百年構想」という理念の元で、グラウンドや公園、そういう場所をピッチくんと一緒に広めていこうという活動をしているんです。子供たちはサッカーをやる以前に、やれる場所がないのでやらない。それで家にこもってゲームをするとか。また今いじめ問題とか、いろんな問題がありますよね。僕たちが小さい頃はもっといろんな環境があったのでできたんですけど、今は環境の問題が一番のテーマなんじゃないかなと僕は考えていて、Jリーグの方も日本サッカー協会の方も、そういう活動を通じて幅広く今の子供たちに、サッカーをやれる環境、スポーツをやれる環境を作りましょうと努力しています。そんなにすぐに簡単にはいきませんから、そういうものを積み重ねて、Jリーグというものをもっと根付かせて。それには皆さんの力が必要ですから。今の子供たちが大人になったときに、その子供たちがサッカーをする環境を作ってあげることが、Jリーグのこれからの役割だと思います。世界でもっともっと上に行くためには、そういった基盤がさらにしっかりしなければならないので、みなさんもぜひそういう運動に参加していただいて、一緒になってJリーグ、または日本サッカーを盛り上げて欲しいと思います。いいこと言っちゃいましたね。
会場:拍手
水内:川淵さん(三郎、日本サッカー協会キャプテン)がJリーグが始まったときに「百年構想」と言って、その中でいろんな練習環境ができたじゃないですか。そこにグラウンドが何面もできて、Jリーグを目指すチームも一杯増えてきて。そして、「小学校の芝生化」と言ったじゃないですか。これってすごいことだなと思ったけど、最近増えてきて。ボランティアでやっている方とかもいたりしますよね。横浜だとか、東京でも増えてきているので、こういうのがぜひ増えていってほしいですね。城さんがメッセンジャーですから。
:僕は全国各地に行きますんで。この中に地主さんがいればぜひとも紹介していただいて、そこを開放して、ぜひともそういう環境を作ってもらいたいなと思いますね。
水内:昔はゴルフの打ちっ放しだったところが、今はフットサル場になってるんですよ。そうなると、澤登さんが一番困るわけ。
澤登:ちょっと待って、ちょっと待って。
水内:どっちが大事なんですか、打ちっ放しがつぶされるのと。それだけフットサル場というのは首都圏には多いですけど、地方に行けば、ちゃんと芝生のグラウンドとか増えてるからね。子供たちが思い切ってサッカーができるって素晴らしいことですからね。だって汚れるのがイヤだからキーパーをやらないとか、痛いからキーパーをやらないっていうのが多かったですけど。小学校の頃から芝生の上で跳べるんだったら、そっちの方が巧くなるに決まってますからね。
:環境を今の大人たちがしっかり整えてあげるのが、未来につながると思うので。それにはまずJリーグを盛り上げてもらって、友だちでも家族でも連れてきてもらって。そういう収入でそういうことをやってますので、ぜひとも見に行ってください。
水内:あとはtotoの購入もね。
会場:笑い
:そうですよ。
水内:これはいつでも買えますからね。ぜひ、堀池巧さんにそう伝えてください。
司会:・・・ということで、あっという間に2時間経ちましたけど、いかがでしたかみなさん。
水内:まず、伊藤選手から。
伊藤:初めてのトークショーでしたが、城さんと澤登さんの貴重な話が聞けてよかったです。フロンターレをもっともっとアピールしたいので、今後も機会があればこういう場所に出てアピールしたいです。
会場:拍手
岡山:今回は、レイソルとかチームとかじゃなくて、サッカー選手としてこういう場所に来られたのがすごく嬉しいとともに、サッカー選手も生身の人間じゃないですか。いろんな思いを持って喜んだり悔しがったり傷ついたりしている気持ちを分かり合ってほしいと思ったんですね。「選手でやれるうちが幸せだぞ」って今日澤登さんとかに言っていただいたんで、サッカー選手としてやれるというのは、すごくいろいろな方々の思いを背負ってやれているんだなということを改めて感じたので。そういう思いを持って、これからサッカーに取り組んでいきたいなと思いました。
会場:拍手
:本当に貴重な時間をありがとうございました。現役選手は一つの目標に向かって、みんな一生懸命頑張りますので、できるだけみなさんも熱い応援をしていただいて。僕も今年は解説という仕事とライセンスと、いろいろやっていき、ぜひともJリーグ、日本サッカーを盛り上げていきたいと思いますので、皆さんも一緒になってグランドに足を運んでいただいて、熱い応援をしてください。どうもありがとうございました。
会場:拍手
澤登:本当に貴重な時間をありがとうございました。今、僕自身は解説なり、日本サッカー協会のアンバサダーとしてサッカーの普及活動を一生懸命やっています。小さい子供たちを教えながら、サッカーの楽しさを伝えています。楽しさという部分を、また選手たちにも、そしてみなさんにも、これから解説として伝えていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
会場:拍手
司会:本当に貴重なお話が聞けましたね。すてきなお話を、みなさん開幕前にどうもありがとうございました。
水内:岡山ダンス、生で見たいよね?
会場:拍手
岡山:それを見たい方は、日立台まで試合を見に来てください。
水内:それも足を運ぶ一つのきっかけになりますからね。
司会:いろんなパフォーマンスを今年も期待しています。今日は永遠のミスターエスパルス澤登正朗さん、Jリーグ百年構想メッセンジャー城彰二さん、柏レイソルの岡山一成選手、川崎Fフロンターレの伊藤宏樹選手に来ていただきました。どうもありがとうございました。
会場:拍手
水内:岡山選手、おもしろいじゃないですか。
司会:おもしろいですよね。私は岡山選手と伊藤選手、お二人と同い年みたいです。
水内:リアクション的にはどうとったらいいかよくわからないんですけど。
司会:今週の土曜日から、Jリーグが15年目という節目を迎えまして、楽しみですね。
水内:そうですね。今日来た選手たちもそうですけど、僕らの立場として、本当にJリーグを盛り上げることと、また子供たちにサッカーを広めてほしいのと、サッカーを通じて、スポーツを通じていろんな問題を解決したいという思いがありますから。そういった意味では、こうして来てくださる方たちの助けも絶対に必要ですからね。Jリーグにもいろんなチームがありますので、ぜひみなさんもスタジアムに足を運んで盛り上げて下さい。そして、後押ししてください。
会場:拍手
司会:スポーツキャスターの水内猛さんでした。
会場:拍手
司会:皆さん、長い時間ありがとうございました。この中で開幕戦を見に行かれるという方? 結構いらっしゃいますね。ぜひ試合を見た後は、NHK-BS1の「Jリーグタイム」の方もよろしくお願いします。私も2年目で、一生懸命サッカーを覚えつつ、みなさんを盛り上げていきたいと思いますので、どうぞ今年もよろしくお願いします。みなさんの応援しているチームがどんどん強くなって、ますますJリーグが盛り上がってくれればなと私も強く願っております。最後までおつき合いいただきまして、どうもありがとうございました。
会場:拍手

取材・構成/CREW 撮影/新関雅士

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