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ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2007 VOL.58
「~呪われた広島!? 浦和レッドダイヤモンズ戦を前に~」
2007年9月5日、広島で初開催となったぴあトークバトルは、サンフレッチェ広島の槙野智章選手・盛田剛平選手が登場!
6年間勝ち星無しの鬼門・浦和レッズ戦への意気込みやリーグ戦のこぼれ話を2時間フルに語りました。

<ホスト>
水内猛(スポーツキャスター)
1972年神奈川県生まれ。旭高から'91年に三菱自動車工業(現・浦和レッドダイヤモンズ)入り。Jリーグ元年には、浦和で出場試合数18試合、7得点と好成績をおさめる。'96年ブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)に移籍。'98年の引退後はスポーツキャスターとしてテレビ・ラジオで活躍中。

<ゲスト>

槙野智章(サンフレッチェ広島)
1987年広島県生まれ。ジュニアユース、ユースとサンフレッチェ広島の下部組織に所属し、各年代の日本代表に選出され主将を務めた。2007年7月に開催された「FIFA U-20ワールドカップ2007」では守備の要として活躍した。背番号28。

盛田剛平(サンフレッチェ広島)
1976年愛知県生まれ。桐蔭学園高から駒澤大学を経て、1999年に浦和レッドダイヤモンズに入団。その後セレッソ大阪、川崎フロンターレ、大宮アルディージャを経て、2004年にサンフレッチェ広島に移籍。2006年にDFへのコンバート。189cmの長身を生かし、広島の硬いDFラインを支える。背番号19。


前編
司会:「ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2007 VOL.58 ~呪われた広島!? 浦和レッドダイヤモンズ戦を前に~」。ぴあトークバトル、いよいよスタートします。本日の進行役をご紹介しましょう。スポーツキャスターの水内猛さんです。みなさん、大きな拍手でお迎え下さい。
会場:拍手
司会:本日はよろしくお願いします。
水内:よろしくお願いします。
司会:広島初開催ですよ。
水内:そうですね。僕はこの何年かトークバトルをやっているんですけど、広島まで来るとは思いませんでした。
司会:広島はよくいらっしゃいますか?
水内:11年ぶりです。
司会:そうですか。どうですか広島は?
水内:新幹線で来たのは初めてだったんですが、4時間で来ちゃったんで意外に早いような遠いような近いような。広島の街は結構キレイですえ。結構じゃなくて、かなり。
司会:それではさっそくですが、本日のゲストを呼んでみましょうか。
水内:呼んでください。
司会:まずはこの方です。サンフレッチェ広島の若鷹、背番号28、ディフェンス槙野智章選手です。
会場:拍手
司会:そして、サンフレッチェ広島のヒマラヤ山脈、背番号19、ディフェンス盛田剛平選手です。
会場:拍手
水内:ヒマラヤ山脈って、どんだけ高いんだって。
盛田:ヒマラヤたって、ひとりじゃちょっと無理ですね。
水内:盛田選手は何か話があるみたいですが。
司会:そうですね。昨日は2人ともオフだったということなんですけども、オフの日って、お二人ともどんなことをしているんですか?
水内:槙野選手、昨日は?
槙野:僕は実家が広島なんで、実家に帰って家族サービスを。
水内:家族サービスって、お父さん、お母さんに家族サービス?
槙野:食事を御馳走してあげて。
水内:それね、家族サービスじゃなくて親孝行。
会場:笑い
水内:素晴らしいじゃないですか。盛田選手は?
盛田:僕は無計画に、車に乗って高速で大山のあたりに行って。大山牛を食べようと思って行ったんですよ。それで米子の町に降りたら何もなくて、結局帰ろうと思って岡山に行って。桃太郎地鶏というのがありまして、それを結局食べました。その後、またラーメンに行きました。
会場:笑い
水内:締めがラーメン。
盛田:はい。デザートですから。
司会:なかなか普段、私服の姿を見ることはないですよね、みなさん。
水内:そうですね。でも、基本的には私服のことが多いでしょ、サッカー選手って。
司会:普段は多いんですか?
水内:そうですよ。移動の行き帰りは基本的には私服がほとんどですよね。仕事着がユニフォームというだけでね。
司会:広島ビッグアーチでいつも見ているとユニフォームという感じですけどね。どんなことに気をつけていらっしゃいますか?
盛田:僕ですか? 僕は結構適当ですね。別に何も。
水内:でもGパンを切らなくてすむでしょ。
盛田:そうですね。
水内:足長いし。
盛田:いやいや、足は短いですけど。
水内:僕なんか切ったGパンでGジャン作れますからね。それくらい切りますから。それだけ短い。
盛田:ちょっと広島の方、反応がまだ悪いですね。
水内:ステージからだとすごく見づらいんですよ。
盛田:もうちょっと,つかみをこう。
水内:これからあっという間ですけどね。徐々に温めていきたいと思います。
司会:お二人とも今回初めてのトークショーということなんですけども。「ぴあトークバトル」、どんなお気持ちですか。意気込みを。
盛田:とりあえず、9 月15日の浦和戦に向けてガッツリと行きたいと思います。
司会:槙野選手はいかがでしょう?
槙野:ガツンと。
会場:笑い
水内:ガツンガツンと。司会の寺沢さんは?
司会:私もガツンと。
水内:一番緊張してるでしょ?
司会:そうなんですよ。すみませんよろしくお願いします。
盛田:水内さんは?
水内:僕ですか? ガチガチです。
司会:それでは立ち話も何ですから、どうぞ皆さんお座りいただきましょうか。では、お二人に11の質問をしていきます。YESとNOの札でお答えいただいて、その後水内さんから詳しくお話を聞いていただきます。では水内さん、よろしくお願いします。

質問盛田槙野
Q1ペトロヴィッチ監督就任後、練習量が増えたYESYES
Q2今シーズン、現在の順位には不満があるYES/NOYES
Q3今シーズン、現在までの自分のプレーには満足しているYESNO
Q4試合中疲れた時でもサポーターの声援があれば頑張れるYESYES
Q5自分のプレーをもっと多くのお客さんに見に来てほしいYESNO
Q6自分のサッカー人生を変えた指導者がいるYESYES
Q7自分のサッカー人生を変えたゲームがあるYESYES
Q8この6年間浦和戦未勝利の事実を知っているYESYES
Q9浦和は特に苦手なチームではないYESYES
Q109/15(土)、対浦和戦に向けた秘策がある。YESYES/NO
Q119/15(土)、対浦和戦で勝利を挙げてみせるYESYES

水内:さぁ、11の質問が終わりましたが、それぞれの考えもあると思いますから。
盛田:きちっと考えましたから。
水内:目を見ながら聞いてましたからね。まず最初の質問ですけど、「ペトロヴィッチ監督就任後、練習量が増えた」。二人ともYESという答えが出ましたけども、では槙野選手。去年からミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもとでプレーしていますが、初めてのトップチームの監督ということになりますけど、練習量という部分ではどうですか?
槙野:やっぱり今までの監督と違うのが、内容の濃さというか。今までと同じ2時間という中でも、内容が濃い分だけ頭も使うし体も使うんで、やっぱりきついんじゃないかと思います。
水内:今まではユースの監督とか、そういうことだったわけでしょ。ユースの監督は内容が乏しかったっていうこと?
会場:笑い
水内:そうではない?
槙野:そうではないですけど、今までは頭を使ったトレーニングとかほとんどなかったんで。
水内:広島のフィジカルコーチたちは頭を使わないと。
会場:笑い
水内:そんなことないけれども、よく「頭を使え」と言われてますけど、そのへんがペトロヴィッチ監督は多い?
盛田:そうですね。
水内:ただ100m走るだけじゃなくて、考えて10m走ればいいんだという内容だとおっしゃってましたね。
盛田:100点満点のことを言ってますね。
水内:そうですか。100mをただ走るんじゃなくて、10mを考えて走った方がいい。1mをすごく考えて歩いた方がいい。
会場:笑い
槙野:そんなことはない。
盛田:そうなんだ。
水内:練習量とか、どうなんですかね?
盛田:結構慣れてきた部分もあるけど、去年は随分いいトレーニングになりました。
水内:盛田選手はいろんな監督と接してきていると思いますが、ペトロヴィッチ監督はいかがですか。
盛田:そうですね。とりあえず練習なのかわからないですけど、球回しが長い。球回しってやるじゃないですか、小さい枠の中で。グラウンドに出てきたら、みんなそれとなしに始めるんですけど。だいたいもうグループとか決まっていてやり始めるんですけど、短くても30分くらいやってるんですよ、ず~っと。
水内:それは監督の指示じゃなくて、何となく始める。
盛田:でも、監督の中ではそれも練習の一環。長い時は1時間くらいやっていることもありますし。
水内:ボール回しって、気持ちによって全然違うじゃない。一生懸命ボールを取りに行く場合と、ちょっと遊び感覚でやってるのと。
盛田:どっちも入ってますね。あとはまぁ、こんなこと言っちゃ何ですけど、グループによって、一生懸命やっているのと、ちょっと疲れたな~という感じでやってるのと。
水内:そのへんのさじ加減はありますよね。だいたい厳しくどうこうというよりは、何となく始まって。
盛田:そうですね。そこで体を動かして、そこでのパスとそれぞれの判断だとかそんなのをやって。いつもそれから練習が始まる。
水内:それを1時間くらいやった後、そこから違った戦術練習が始まるわけでしょ。
盛田:1時間やる時はだいたい球回しで終わる時が多いんですけど。試合の後だったり。30分くらいだと、ウォーミングアップがあったり、それから練習に入っていきます。あと、ゲームが長いですね。練習の中の最後のゲームとかあるじゃないですか。あれが結構「あぁ疲れたな…」と思ったところからまた長くやりますね。
水内:30分どころじゃなく、結構やることあるよね。オシム監督はよく60分というのをやりますけどね。
盛田:似たところがありますね。練習内容に関しては。
槙野:水を飲まないです。ゲーム中には。
水内:飲ませてくれないの? 勝手に飲んでいいんじゃないの? 飲んでいいんだよね?
会場:笑い
水内:置いてないの?
槙野:ゲーム中は置いてないですね。練習中には飲むことはありますけど、ゲームの時は。
水内:水を飲ませてくれない部活の指導者っていたよね。
盛田:いました。「飲んでも一口まで」とかありましたよね。
水内:そういうわけじゃないよね。その年代じゃないよね、もう。
槙野:違いますね。
水内:ペトロヴィッチ監督はちょっと練習量が多めだと。では2つ目の質問ですけども、「今シーズン、現在のチーム順位には不満がある」。槙野選手はYES、盛田選手はどちらでもない。盛田選手、これはどういった意味ですか?
盛田:まぁ、不満と言えば不満なんですけど。ただ、なるべくしてなってる部分もあるんで。中途半端に失点したりとか、ここぞというところで勝ちきれなかったりとか。僕たちが蒔いた種ですから。そういう意味では不満ではあるけど、やはり実力として受け止めなければいけないなと思っています。もっとすごく上に行けるチームだと思うんですよ。ただ、そこの部分の精神面だとかの強さがまだ足りないのかなと思います。
水内:攻撃面ではウェズレイ、佐藤寿人が点を取ってくれる。フォワードの2トップが点を取ってくれるって、理想的じゃないですかチームとして。そういう中で、なかなか勝ちきれないという部分が悔しい。
盛田:そうですね、はい。
水内:でも降格はないでしょ?
盛田:まぁ、それはね。
会場:笑い
盛田:ただやっぱり早くみなさんを安心させるためにも、1試合でも早く決めないと。
水内:今、勝ち点29だっけ?
盛田:そうです。
水内:順位的には上にいますけど、下が21とかだったかな。でも、離れたところに21とかいう感じなんで。あと10試合なんで、2勝2分でいいんじゃないかな。
盛田:とにかくまず浦和戦に勝っておいてね。
水内:2勝2分。
会場:拍手
水内:そんなんで拍手なんですか? 僕怒りますよ! 「何言ってるんだ!」って。広島の方は優しい。どうですか、槙野選手は今シーズンのチームの順位は。
槙野:僕はあの、負けたのが痛い。特に最近は自分が出ている分、やっぱり負けが続いているのが不満ですね。
水内:あれ、去年は何位でしたっけ?
槙野:去年? みなさんの方が知ってる?
会場:10位。
水内:10位ね。選手も知ってますよ、そんなの。
会場:笑い
水内:昨シーズン、ペトロヴィッチ監督が就任して。今すごくいいサッカーをしてるじゃないですか。それでも、なかなか結果が出ないという部分もあると思うんですけどね。順位に関してはやっぱり不満?
槙野:まだまだ上に行けるチームだと思いますし、これだけの選手も揃っていますし。次の浦和戦に勝って勢いに乗りたいです。
水内:槙野選手は去年2年目で、今シーズンは試合にも出るようになって。それでやっぱり順位が上がらないというのは悔しいですよね。自分が関係してると余計にね。
槙野:特にディフェンダーというのは失点が多い分、結果として出てないんで、そこらへんをすごく反省しています。
水内:そこらへんの反省とかは、2人で話したりするんですか?
槙野:そういうのがあった時は話すよね、やっぱりね。
盛田:うん。浦和戦の前とかは一応。本当はディフェンスラインは僕と槙野とイッセイ(高柳一誠)がやるはずだったんですけど。
水内:この間、1日(2007年9 月1日、三ツ沢公園球技場、横浜FC1-2サンフレッチェ広島)の時?
盛田:結局、最終的に駒野(友一)が真ん中をやったんですけど。その3人と下さん(下田崇)を連れて、「飯でも行こう」って焼肉行って。まぁ、「頑張ろうぜ」なんて乾杯なんかしちゃって。
水内:いいじゃないですか。
盛田:でも、結局そこでサッカーの話は一切出ない。
会場:笑い
盛田:「最近どうよ?」みたいな。でも、槙野と食事したのもそれが多分初めてだったのかな。そうだよね? そんなことなかった?
槙野:そんなことない。
盛田:そんなことなかったっけ。
水内:でも、いいじゃないですか。そういうコミュニケーションが有る無いもあるし、外国人が1人いたらしづらい部分もあるじゃないですか。そういう意味ではもちろん言葉も通じるし、年の差はあっても嬉しいでしょ、こういう先輩がいると。
槙野:そうですね。おもしろい人ですよね。
盛田:そんなことはないよ。
水内:おもしろいよ。ごちそうしてもらった?
槙野:はい。
盛田:まぁ、そこらは僕たちの仕事だから。
水内:「今シーズン、現在までの自分のプレーには満足している」という質問ですが、盛田選手は満足していないと。ディフェンダーになって、2年目ですよね。どうですか、ディフェンダーとしてのプレーを振り返ってみて。
盛田:ディフェンダーとしての基本的なカバーリングだとか、声の掛け合いだとか、そういうのに関しては、少しずつ良くはなってきていると思うんですけど、あとは1対1の対応だとか。逆に、ボール持った時に迷うようになっちゃって。そこが上手くいかなくて。
水内:元フォワードだと、後ろでボール持つのって余裕が持てるじゃない。
盛田:あぁ、そういうのがあったはずなんですけどね。俺、フォワードだったっけ。
会場:笑い
盛田:そうですね。フォワードの時にはだいたい背負ってることが多いんですよ。
水内:一番周りに人がいるわけだから。常に背負っている状況よりはフリーで足元にもらってパスする方が。
盛田:逆になんかそれがね。後ろに相手がいないと不安でしょうがないみたいな。
水内:ボールをもらったら後ろ振り向いたりして。そんなディフェンダーいないよ。でも去年でしょ? コンバートされる時って、どういう状況で言われたの?
盛田:去年というか、一昨年の契約更改の時に、ぶっちゃけ「もう俺はフォワードはないな」と。「サンフレッチェもないな」と。
会場:笑い
水内:終わりかなと。
盛田:終わりかなと。そう思ったら一応金額が提示されたんですよ。
水内:ゼロじゃなかった。嬉しいじゃない。
盛田:ゼロじゃなかった。びっくりしたけど「これでフォワードでもう1年やっても意味ないな」と思ったんですよ。「どうしようかな」と思ったら、「ポジション変更も考えて」みたいな感じで向こうから話が出たんですよ。お、これはと思って「実は僕もディフェンスやりたいんですけど」って。
水内:ディフェンスだったの? 上がり目やりたいとか、ボランチやりたいとかさ。
盛田:そんな技術は・・・ディフェンスなら、あと1年でも2年でも頑張ってやればできるかなと思って。
水内:それでチーム的には盛田選手をディフェンダーにしようということになって、ペトロヴィッチ監督が来たわけですよね。
盛田:去年のシーズン、最初は小野(剛、日本サッカー協会技術委員会委員長)さんが監督だったんです。途中からペトロヴィッチ監督が来て。
水内:最初は小野さんのもとでディフェンダーとしてスタートして。
盛田:ディフェンダーとしての基本的なことを学ぶべく。
水内:結構いろいろ言われたでしょ?
盛田:言われたというか、試合に出るとか、そんなレベルじゃなかったですからね。小村(徳男、横浜FC)さんとかいたから、いろいろ聞いて。
水内:そんな挑戦をしている盛田選手を見て、特に新人でしょ、槙野選手は。ずっとディフェンダーをやってきて、ベテランがディフェンスをやり始めてどう見てた?
槙野:僕が入った時、センターバックだけでも8人いましたから。
水内:あっそう。
槙野:僕、サンフレッチェに入って一番最初に試合に出たのは、サンフレッチェじゃなくて、練習試合の相手の横浜F・マリノスのチームですよ。
会場:笑い
水内:じゃ、盛田選手の真剣な部分はわからなかったんだ。
槙野:そうですね。
盛田:そうだね、そういえば。
水内:1人、フォワードからディフェンスになっちゃった奴がいるからだよ。増えちゃったから。周りのディフェンダーも「盛田、なんでディフェンスやるんだよ」って。やっぱり順番を付けるからね、自分の中で。「あいつとあいつはまぁ不動だな」、「で、次が俺で」と、選手の位置づけをする。そういう意味では「盛田がディフェンス?」って、若い選手は他にも思ったかもしれないし。でも、2年目でもちろん試合にも出るようにもなって、まだまだ不満もあるみたいだけど、楽しいですかディフェンダーは?
盛田:そうですね。サッカーをよく考えるようになりましたね。フォワードなんか、言ってみれば惰性じゃないけど、点を取ればミスってもいいんですよ。今ちょっと大げさに言ってるんですよ。
水内:これも性格の差が出ますからね。
盛田:そうそう。でも、ディフェンダーは本当に少しのミスでも失点につながるし。横とのつながりも本当にしっかりしないと、すぐやられるし。
水内:僕なんかディフェンスなんか絶対にできなかったですよ。本当に、そんな感じのフォワードだったんで。盛田選手と同じってわけじゃないけどワーッとやって、「とりあえず自分が点取ればいいや」みたいなね。
盛田:「それで覚えてください」みたいなね。
水内:10何年も前の話ですけどね。でも本当に、ディフェンスの選手の性格ってすごく細い。よく闘莉王(田中マルクス、浦和レッズ)がやってるなって本当に思うもん。あいつなんかフォワードだよね。そんなディフェンダーの盛田選手ですが、槙野選手は今シーズンここまでいかがですか? あんまり納得はしていない?
槙野:納得はしてないですね。
水内:今シーズンは試合にももちろん出るようになって、FIFA U-20 ワールドカップ・カナダ2007(2007年6 月30日~7 月22日、カナダ)が途中にあって過密日程になりましたけど、それも含めて。
槙野:最近ですけど、初めてプロの連戦というのを体験することができまして、すごいなというのを感じましたね。水曜日に試合して、日曜日に試合して、また水曜日に試合してという移動もあるんで。トップの選手を見ていると、その中でよくやっているなというのはすごく感じますね。
盛田:とんでもない。試合の次の日もうるさかったからね。
会場:笑い
盛田:「口が減らねぇな」って。連戦の3戦目の前の日の練習の後とかも、みんなでピッチに残って遊んでるからね。「よくできるなこいつら」と思って。
水内:盛田選手だって若い頃ならできたでしょ?
盛田:忘れましたよ、そんな若い頃のこと。
水内:確かにJリーグが始まった頃は、ほとんど水曜、土曜、水曜、土曜で。特に、広島ってアウェーは全部移動でしょ。そのへんが不利な部分もあると思うんですけどね。
槙野:やっぱりユースの頃の連戦と違いますし、プロのレベルは高いし。あと体に残るんで。それをどう次の試合に向けて疲労を取るかというのが。
盛田:喋ると取れる? 喋って取れよ。
会場:笑い
水内:喋ると疲れが抜ける?
槙野:いやいや。そんなに喋ってないですよね。
盛田:いやいや、そんなことないよ。
水内:いいじゃない。今日は槙野選手はトークショー初めてじゃないですか。プロフィールを見たら「お喋り好きな」って書いてあったから。大丈夫ですよ。
槙野:そんなによく喋らないですよ。
盛田:だって、どこだっけ? 海外に行って帰って来た時、何時間だっけ、13時間?
槙野:ドイツです。
盛田:帰ってくる時、喋りっぱなしだったらしいですよ13時間。寝ずに。
水内:何を、誰と話したの?
槙野:よく話しかけてくるんですよ。
水内:自分から喋るんじゃないの?
槙野:隣に座った人とかと。僕、結構一般の人と隣になることが多くて。
水内:選手じゃなくて。
槙野:そうですね。で、一般の人と喋って。
水内:可哀相な一般の人。
槙野:そうしたら、スチュワーデスの人が話しかけてきて。僕は席にずっと座ってるのがイヤなんですよ。だから、後ろのトイレのところに行って。
水内:それは典型的なスチュワーデスをナンパするJリーガーだ。
会場:笑い
水内:いましたよね、一番後ろに座る奴。
盛田:スチュワーデスが奥さんになったりとかね。
水内:そうそう。アナウンサーが奥さんなの、俺だけだよ。すごいだろ?
会場:笑い
盛田:そうじゃない。
水内:それだけ喋るのが好きなのはよくわかるけど。プレーの話に行きましょう、プレーの話。プレーに関してはそんなに満足できない?
槙野:はい。ディフェンスですから、やっぱり無失点で終えたいというのはありますけど、今は失点が多いから。それはすごく不満だらけですね。
水内:そのへんはチームとしてもそうだし、気をつけなきゃいけないところですからね。次は4番目の質問、「試合中疲れた時でもサポーターの声援があれば頑張れる」。これはもちろんですよね。サポーターの応援というのは聞こえますか?
盛田:聞こえますよ。
水内:やってる最中はそんなに聞こえないでしょ?
盛田:いや、でも聞こえますよ。あとは試合に出てなくてベンチにいる時があるじゃないですか。そういう時、負けてる試合とかですごい一生懸命応援してくれるサポーターを見ると「あぁ・・・」って。
水内:そうだよね。自分は試合に入っていけないけど、サポーターの人たちが一緒に戦ってくれている。
盛田:はい。勝っている時は当然なんですけど、そういう選手たちが苦しい状況だったりとか、「もうダメか」と思った時に後押ししてくれる声援が嬉しいですね。
水内:サポーターの人たちの方が、わかってるよね。苦しい時や時間帯に声が大きくなったりね。
盛田:うん。
水内:確かにベンチに座っているとよく見るんだよね。「あれは誰の応援だな」とか。気づいたら相手チームの応援に乗ってたりするんだよね。
会場:笑い
水内:鹿島の応援、「オ~、アントラーズ!」とか。ない?
槙野:それはない。
水内:ないか。俺だけだったのか。
盛田:それはないですよ。
水内:いやいや、盛田選手はあると思うよ。ない?
盛田:ありますね。
水内:槙野選手はどうですか、広島のサポーターの応援は。
槙野:僕はずっとビッグアーチで見てきて、声援も大好きですし。改めてわかったのは、自分が試合に出ていて、例えばミスとかするじゃないですか。その時の「あぁ・・・」っていう。
水内:ため息がね。気になりますよね。
槙野:気になりますよ。あれは本当に気になる。
水内:それが多ければ多いほどね。ワーッと聞こえるとね。
槙野:それを近くで聞いた時に改めて感じますね。
水内:自分が一番「あぁ・・・」って思ってるのにね。同じ気持ちで戦ってくれてるんですよサポーターも。同じように「あぁ・・・」って。
槙野:そうですね。
水内:そのへんは克服しなければいけないわけですよね、選手としては。それを声援に変えてね。いいプレーをしなければいけないのがプロですからね。そして5問目、「自分のプレーをもっと多くのお客さんに見に来てほしい」。これは盛田選手はYES。どんなところをディフェンダー盛田は見せたいたいですか。アピールポイントとして。
盛田:今もう自分は、基本的にディフェンダーになりつつあるんで。
水内:ディフェンダーになりつつある? どんなところが変わってくるんですか?
盛田:考え方が。
水内:相手に合わせるようになった? アクションじゃなくて、リアクションになってきた?
盛田:こう1対1とか、相手のエースと言われてる選手をガッツリマークするとか、ボールを取ったりとか。
水内:上からヘディングでこう。
盛田:そういうところを見てほしいですね。
水内:ガツガツ行く盛田を。
盛田:はい。けっこうサンフレッチェって1-0 で勝ってる試合が多いんですよね。1-0 の後半最後の方とか、すごくやり甲斐があるんですよ、本当に、ディフェンスとしては。そこで頑張ってる姿を見て欲しいなと。
水内:それはサポーターの方も見てますよね。盛田、頑張ってるなっていうのは。
盛田:「あぁ・・・」ではない。
会場:笑い
盛田:そこは見なくていいよって。
水内:でも、フォワードの時は逆にガツガツやられていかなくちゃいけない。
盛田:はい。
水内:それを敢えてイヤなことをやってやろうっていうのはある?
盛田:結構、僕フリーですよ。マークしてる時に変なことするとか、そういうのはない。自然と引っ張っちゃって、勝手にワシントン(浦和レッズ)に取られてPKというのはありましたけど(2007年8 月1 日、埼玉スタジアム2002、浦和レッズ4-1 サンフレッチェ広島)。何であんなのを取られるかわからない。あんなに強いのが、何で持ってただけで倒れるのか。
水内:多分ワシントンは、あれだけ大きいんですけど、ペナルティエリアの中だけはすぐ倒れるんですよ。そういう時って悔しいでしょ。
盛田:ホントに。
水内:取られちゃったものはしょうがないですからね。あの時はワシントン、外したんじゃないの?
盛田:ポンテ(浦和レッズ)が決めました。
水内:その前にワシントンが外したから蹴らせてもらえなかった。槙野選手は自分のプレーはアピールしたくないという答えでしたけど。見てほしくない?
槙野:恥ずかしがり屋なんで。
会場:笑い

取材・構成/CREW 撮影/新関雅士

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