チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら



ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2009 vol.66
どうなる!? トップリーグプレーオフマイクロソフトカップ
トップリーグ上位4チームによるプレーオフトーナメント「マイクロソフトカップ」。
セミファイナルを目前に控えた1月21日(水)青山ベルコモンズ9Fクレイドルホールに
トップリーグ年間王者を目指し戦う各チームの監督が集結。熱きラグビーファンが見守る中、各チームの監督のトークもヒートアップ。
日本一のタイトル「マイクロソフトカップ」はどのチームにもたされるか!?
トップリーグ上位4チームの監督たちが繰り広げたトークバトルをどうぞ!

<ホスト>
村上晃一(ラグビージャーナリスト)
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より同誌編集長。98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。ラグビーマガジン、ナンバー(文藝春秋)、スポルティーバ(集英社)などに主にラグビーについて寄稿。現役時代のポジションは、CTB/FB。京都府立鴨沂高校卒業後、大阪体育大学に入学。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。現在はスカイパーフェクTV J SPORTSのラグビー解説も98年より継続中。99年、03年のワールドカップでは現地よりコメンテーターを務めた。

<ゲスト>

和田賢一(東芝ブレイブルーパス監督代行)
1972年11月10日生まれ。東海大相模高校/東海大学出身

飯島 均(三洋電機ワイルドナイツ監督)
1964年9月1日生まれ。都立府中西高校/大東文化大学出身

清宮克幸(サントリーサンゴリアス監督)
1967年7月17日生まれ。府立茨田高校/早稲田大学出身

平尾誠二(神戸製鋼コベルコスティーラーズGM兼総監督)
1963年1月21日生まれ。市立伏見工業高校/同志社大学出身


前編
司会:「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義vol.66~どうなる!? トップリーグプレーオフトーナメント マイクロソフトカップ~」。ゲストのみなさまをお招きいたしまして、トークバトルをスタートしてまいりたいと思います。興味津々、いろいろなお話が聞けると思いますので本当に楽しみにしていただきたいと思います。それでは早速この方からご紹介させていただきたいと思います。本日の進行役、ラグビージャーナリスト村上晃一さんです。村上さん、よろしくお願いします。
村上:よろしくお願いします。
司会:サントリーサンゴリアスと三洋電機ワイルドナイツの開幕戦(2008年9月5日、秩父宮ラグビー場、三洋電機ワイルドナイツ19-9サントリーサンゴリアス)から始まって先週終了した全13節まで、本当に最後の最後まで見所たっぷりのシーズンだったと思いますが。
村上:そうなんですよね。
司会:最後の13節、村上さんはどちらの会場に?
村上:僕は瑞穂(名古屋市瑞穂公園ラグビー場)でトヨタ自動車ヴェルブリッツとサントリー(2009年1月18日、サントリーサンゴリアス38-6トヨタ自動車ヴェルブリッツ)の試合を観てました。試合直前にトヨタの6位以内がないっていうことがわかりまして・・・
司会:それはNECグリーンロケッツがもう・・・
村上:勝ってしまって(2009年1 月18日、秩父宮ラグビー場、NECグリーンロケッツ32-30 福岡サニックスブルース)。もう6位はないって。6位がなかったらこの試合はなんだろうみたいな。ちょっと寂しい試合になってしまいましたけど。
司会:トヨタも本当に残念でしたが。
村上:そうですね。でも、試合前、その順位のことは選手には言わずに試合をしたそうなんです。
司会:そうですか。今日は上位4チームの監督をお招きして行っていくトークバトルなんですけれども、やはり普段なかなか聞けない話をみなさん楽しみにしていると思いますので。
村上:あの平尾(誠二、神戸製鋼コベルコスティーラーズGM兼総監督)さんが来てくれるか心配だったんですけど。来てくれましたね。
司会:本当に嬉しいですね。神戸製鋼コベルコスティーラーズが上位4チームに入ったっていうことは、またおもしろいですよね。
村上:初代王者(2003‐2004シーズン)ですから。今日は過去のトップリーグの王者がみんな来て、勝ってないのはまだ三洋だけだというので。
司会:また今年もいろいろな伝説が生まれるかと思いますけど。いろいろと監督の方に、みんなが聞きたいことをバンバン聞いていただきたいと思います。よろしくお願いします。それでは、本日のゲストのみなさまを対戦カードごとにご紹介させていただきたいと思います。みなさま大きな拍手でお迎えください。まずは2月1日日曜日秩父宮ラグビー場で対戦いたします、東芝ブレイブルーパス和田賢一監督代行、神戸製鋼コベルコスティーラーズ平尾誠二GM兼総監督です。
会場:拍手
司会:続きまして、2月1日日曜日大阪近鉄花園ラグビー場で対戦いたしますサントリーサンゴリアス清宮克幸監督、三洋電機ワイルドナイツ飯島均監督です。
会場:拍手
司会:村上さん、4監督が揃いました。
村上:まず、最初に一言ずついただきましょうか。和田監督代行からお願いします。
和田:最初にですね、この場をお借りして私たちチームが起こしてしまった、ラグビーファンのみなさまの期待を裏切ってしまったことに対してお詫びを申し上げると共に、試合会場に多くの方に来ていただいてより一層の熱い声援、また温かい激励のお言葉をいただきましたことに感謝しております。ありがとうございました。
会場:拍手
村上:残念なことが起こりましたけれども、今日は瀬川(智広)監督の代行ということで和田監督代行に来ていただきまして。ここからはトークバトルですから、あまり控え目にならずにガンガン攻めていただければ。
会場:笑い
村上:よろしくお願いします。平尾監督お願いします。
平尾:僕は、初めてここへ来させていただきました。神戸製鋼は初めてのプレーオフでして、一番歳はくっているんですけれども新人の気持ちで今日は来ました。先ほど村上さんから来るのかどうか怪しいということで。実は正直迷っていたところがあったんですけど、これだけたくさんの方が来てくださって今日は来てよかったなと思います。よろしくお願いします。
村上:さっきお客さんが入っているのにびっくりしていましたよね。「えっ! お客さんいるの? テレビだけやと思ってた」って。では、清宮監督お願いします。
清宮:唯一の経験者ということで。3年連続ですかね。村上さんからいろいろと盛り上げるようにと、事前の打ち合わせがあったんですけど。もう3回目なんで、今日は静かにやろうかなと思っています。
村上:絶対そんなことない!
会場:拍手
村上:飯島監督お願いします。
飯島:先日はですね、あの秩父宮ラグビー場でですね、みなさんの期待に応えられない試合(2008年1月18日、秩父宮ラグビー場、東芝ブレイブルーパス62-13三洋電機ワイルドナイツ)をしてしまいまして。マイクロソフトカップではですね、ライバルのサントリーさんに三洋らしいラグビーをして、期待に応えられるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
会場:拍手
司会:「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義vol.66~どうなる!? トップリーグプレーオフトーナメント マイクロソフトカップ~」。このメンバーでお送りしていきます。みなさん最後までどうぞお楽しみください。
会場:拍手
司会:それではみなさま席の方にお座りいただいてですね、トークバトルの方をスタートしていきたいと思います。
村上:清宮監督以外は3人とも今回初登場ということで。和田監督代行は特に、急遽監督代行ということで。どんな人かみなさん知らないと思うので、和田監督代行は何者なのかっていうのをちょっと説明していただいて。
和田:え~?
村上:和田監督代行はバックスコーチですよね?
和田:はい、そうです。薫田(真広、元東芝ブレイブルーパス監督)さんのもとで、テクニカルコーチを4年間やりまして。瀬川体制になってからバックスコーチをやって、今回このようなかたちで出演させていただくことになりました。
村上:トップリーグ開幕元年の直前に引退されているんですよね。
和田:そうですね、2002年です。ちょっとマニアックな話になりますけれども。
村上:いや、ほとんどの人がわかると思いますよ。
和田:そうですね、トップリーグ元年からコーチという立場で。
村上:平尾監督が日本代表監督のとき、和田監督代行を選んでいるんですよね。
平尾:そうなんですよ。和田、いたよな? 
村上:僕は非常によく覚えている・・・
平尾:当時、東芝の監督だった向井(昭吾、コカ・コーラウエストレッドスパークス監督、元日本代表監督)さんも絶賛していましてね。僕も観ていて、いいプレイヤーだなって思って。いいものを持っているなって。
和田:ありがとうございます。
平尾:フルバックでもウイングでも、どこでもいけました。いい選手やったんですよ。
村上:基本的には東芝ではブラインドウイングじゃなかったですか?
和田:最初は左ウインドの11番だったんですけど、ラグビーが変わりつつあった中でブラインドウイングになりましたね。
村上:あの、オト(ナタニエラ、東芝ブレイブルーパス)選手の前にブラインドウイングになりましたよね。
和田:そうですね。
村上:ちょっと今、僕冒頭で言い忘れたんですけど、平尾監督、今日誕生日なんだそうで。
会場:拍手
村上:いくつになられたんですか?
平尾:あまり嬉しくないですよね。もう46歳ですよ。
村上:46歳ね。本当はケーキを持ってこようかってなったんですけど、絶対に嫌がるだろうっていうことで。ケーキはありませんが。東芝は最後、もの凄い勢いでしたね。
和田:本当にラグビーファンのみなさまの期待に応えるにはグラウンドで出すしかないということを頭に置きながら、チームがひとつになってくれたおかげであの結果になったんじゃないかなって。
村上:その後、何か変えたとかではないんですか?
和田:特に変えたこともないですし。気持ちひとつでもこれだけ変わるんだなってことを感じましたね。
村上:その大敗をしてしまったお二人にお聞きしたいんですが。まず勢いをつけてしまった清宮監督。ちょっと東芝に勢いをつけちゃいましたね(2008年1月12日、味の素スタジアム、東芝ブレイブルーパス61-5サントリーサンゴリアス)。
清宮:被害者ですから。
村上:あのとき、サントリーはどうしたんですか?
清宮:いやー、もちろんもう勝つ気満々だったんですけどね。ちょっと5人くらいメンバーを変えて。変えたメンバーが活躍するというシナリオを描いていたんですけど。それで勝ったら得るものがデカイなと思って。
村上:マイクロソフトカップでもう1回やるかもしれないと思いながらやっていたり?
清宮:それはそうですよ。ただそんなシナリオ、ストーリーは全然僕のなかではないですから。メンバーを変えた選手が活躍して「チームみんなで~!」みたいな。そういうシナリオを描いていたんですけどね。
村上:相当ショックを受けました?
清宮:いえいえ。いやー、あれだけね、東芝さんがいいラグビーをして、しょうがないですよね。
村上:飯島監督もえらい大敗で。
飯島:強かったですね。悔しくて1日眠れませんでした。
村上:首位を逆転される可能性みたいなことは考えられたんですか?
飯島:そういうことがあるなということは感じました。それで最初はコーチといろいろ考えて。4トライ取れば勝点1で首位になるからトライを狙いにいこうと考えたんですけれども、やっぱり普通にやろうということで、今まで通りやろうということでやったんですが。非常に東芝さんが強くて、期待に応えられない結果になってしまって悔しかったです。まだちょっと悔しいです。
村上:まだ悔しい? でも、その結果、マイクロソフトカップ・セミファイナルではサントリーと戦うことになったというのは飯島監督どうですか?
飯島:どのチームも非常に強いんでね。平尾監督のところに、最後にギリギリ勝たせていただいたし(2008年12月21日、ホームズスタジアム神戸、三洋ワイルドナイツ52-35神戸製鋼コベルコスティーラーズ)。三洋は強い強いと言われていたんですけれども。実際、試合内容はいつも逆転勝ちだったり、やっとの思いで勝つ試合が多かったので、どのチームも非常に強いなという。だから、サントリーさんとの試合も・・・まぁ、もちろん強くて、清宮監督というラグビー界で有名な監督が率いるチームなのでライバル心や対抗意識はすごくあります。
村上:清宮監督は三洋さんと戦うことになったのはどうなんですか? 三洋になっちゃったって感じですか?
清宮:いや、もうなるんじゃないかと思っていたんで。
村上:もう東芝さんが勝つと?
会場:笑い
清宮:そうですね。まぁギリギリで。この11、12節はケガ人が出て下降線だったけれど、それに対して東芝さんは団結していましたからね。これはもう最終節は東芝さんの勝ちだなって。
村上:平尾監督はこの2試合、サントリーさんと三洋さんの大敗はどんな風な感想を持っているんですか?
平尾:いや、僕らはその前にサントリーさんに大敗(2009年1月3日、秩父宮ラグビー場、サントリーサンゴリアス67-3神戸製鋼コベルコスティーラーズ)していますから、なんとも言えないんですけど。あまり言う資格ないなみたいな風に思っていますけど。でも、ひとつ間違ったら、ゲームって転がりますしね、やはり上位3チームっていうのは本当にもう力がすごい肉迫していると思うんですよ。東芝さんはあぁいう時期もあってですね、いい意味でまとまったというのがあったと思いますから。次はまた本当にわからない結果が起こるんじゃないかなと思いますけど。
村上:60点っていうのが、でもちょっとびっくりしますね。
平尾:う~ん、試合が長いんですよ。60点取られると、なかなか終わらないんですよ。「早よ、終われ!」と思います。
清宮:そういえば平尾監督、試合を最後まで観てなかったじゃないですか。
会場:笑い。
村上:平尾監督って、試合中すごく水を飲んでいますよね。
平尾:そうですね。どこか悪いのかなって思って。いや、やっぱりちょっと熱くなりますね。
村上:ペットボトル2本くらい丸々なくなるんですよ。
平尾:前半1本、後半1本。
清宮:いや、でも、僕も同じなんですけど、カメラが監督に向くタイミングと僕たちの気が抜けるタイミングが一緒なんですね。
村上:あ~、なるほど。
清宮:ちょっと試合が途切れて。そろそろ抜いておこうかみたいなタイミングで。
村上:それはあると思いますけど、やっぱり飲みすぎだと思いますよ。やたら飲んでるなと思って。それと、平尾監督はすごく動いてますよね。この間のヤマハ発動機ジュビロとの試合(2009年1月18日、ホームズスタジアム神戸、神戸製鋼コベルコスティーラーズ23-10ヤマハ発動機ジュビロ)、途中立ち上がったり、壁にもたれたりとか。
平尾:最近自分の見方が、なんていうか立って観る方がいいですね、なんとなく。最近わかってきたんですけど。座っているとなんか落ち着きないですね。立って観ている方がなんかいいですわ。
村上:ヤマハ戦も喜びが爆発してましたね。
平尾:僕ら最後まで決まってなかったですしね。やはり順位というのは僕らにとって大きかったですし。ヤマハさんもしっかりした、凄くいいチームですよね。強かったですし。そのなかで選手が活躍してくれたことが非常に嬉しかった。
村上:監督の観方の話が出ましたけれども。和田監督代行はどんな感じで試合を観られているんですか?
和田:一言でいうと自分たちの強みを生かしたことをしているかとか。そういうところを焦点に。
村上:フォーカスしながらやってきているわけですね。
和田:トランシーバーを使ってやっぱり言いますし。
村上:東芝首脳陣はトランシーバーでよく話していますよね。
和田:中身は言えないですけど、やたら言葉使いが悪いですから。
村上:和田監督代行、どう見ても瀬川監督より貫禄ありますよね。
会場:笑い
和田:それは風貌だけですよ。中身は伴ってないですね。
村上:瀬川監督の方が年上なんですよね?
和田:はい、見えないってよく言われますけどね。
村上:全然対等な感じに見えますよ。でも、今日も一番、極端に若いですよね。極端でもない?
飯島:私は44歳です、平尾監督の二つ下。
清宮:僕は41歳です。
和田:僕は今年で37歳ですから。
村上:今、36歳ですよね。貫禄がありますね。
会場:笑い
村上:飯島監督はベンチというかスタンドから観ているときはどんな感じですか?
飯島:昨年まではですね、選手の横で大声を出していて。何回もトップリーグの役員の方に、引っ込めと怒られてですね。もともとそういう感じなので、スタンドで観ているのは非常に辛いです。
村上:今はおとなしく?
飯島:いや、かなり感情的になって騒いでいて。逆に、中嶋(則文)というテクニカルコーチがいるんですけれども、「飯島さん、飯島さん!」ってよく叩かれます。
村上:抑えてって?
飯島:はい。たぶん、おそらく選手、スタッフで一番冷静さが欠けているのは私ではないかと。
村上:清宮監督は冷静な感じですよね?
清宮:そうですね。でも、選手の近くに行くとやはり、うるさくなるんですよ。レフリーの方にも言葉使いが汚くなってしまって。だから、遠くにいるのが一番いいですね。
村上:さぁ、それではですね、バトルに本格的に入る前にみなさんに幾つか質問をしたいと思います。

質問和田平尾清宮飯島
Q1ここまでシーズン前に思い描いていたような戦いができている。YESNONOYES
Q2トップリーグでは自分たちのチームが一番おもしろいラグビーをしている。YESNONOYES
Q3期待以上に動いてくれている選手がいる。YESYESYESYES
Q4予想以上に強かったチームがある。YESYESYESNO
Q5マイクロソフトカップに向けて、秘密兵器、奇策を用意している。NOYESYESNO
Q6自分以外の3監督の秘密を知っている。NONONONO

村上:Q1の「ここまでシーズン前に思い描いていたような戦いができている」というのは、東芝さんと三洋さんができていると。まずは和田監督代行。今のところ思い通りの戦いができていると?
和田:そうですね。あの、今年の開幕戦をトヨタさん(2008年9月6日、名古屋市瑞穂公園ラグビー場、東芝ブレイブルーパス34-3トヨタ自動車ヴェルブリッツ)とやらせていただいたときに、瀬川監督の掲げるラグビーができて、快勝することができたんですよね。その後にまぁ、うちのチームらしいと言えばらしいんですけど、好不調の波じゃないですけど、その期間がありまして、神戸製鋼さんに大敗(2008年12月14日、鹿児島県立鴨池陸上競技場、神戸製鋼コベルコスティーラーズ42-16東芝ブレイブルーパス)したりですね、勝ってもやっぱりなかなか納得ができない部分もあったんですけれども。本当にここ2戦はやろうとしていることを出しきってくれたので私はYESにしました。
村上:三洋の飯島監督は?
飯島:東芝さんに負けてですね、その分自分たちのプレーができていないということになるんですけれども。全体としてはですね、非常に諦めない試合ができていましたので、選手はよくやったと思います。
村上:平尾監督は?
平尾:もうちょっとこう、ラジカルな形でトライが取れるかなと思っていた。それがトライ数が少ないってことは、たぶんまだそこまで至ってないと僕は思うんですよ。とりこぼしの感もありましたから、もう少し成熟したゲームができるかなとは思っていたんですけど。ただ、ここにきてだいぶ僕は追いついてきた感はありますので、いい形でまたトーナメントを迎えられると思います。
村上:どんなトライを描いているんですか?
平尾:トライというかですね、ゲームの流れですね。流れがうまく掴めないというか。もうちょっと、こう流れがうまく掴められれば、もう少しいいラグビーができるかなと。ちょっと思わぬところ、大事なところでミスをしてしまったりですね、トライを取られたりとか。
村上:それは選手の判断とか経験とか、そういうところですかね?
平尾:それもあると思いますけど、こちらが十分な指導ができていないということもあると思います。まぁ、総合的にまだ準備ができていないなとは思います。
村上:清宮監督は?
清宮:前半、負けて折り返すのが・・・点を取れずに折り返す試合が多かったですね。後半は選手を交替させてギアチェンジして、逆転勝ちして「サントリー快勝!」ってね。なんか、まるで狙った試合をしたかのように。
村上:あれは狙いじゃないんですか?
清宮:狙いではないでしょう。やはり前半から、点を取って失点せずに試合をしたいと。なかなかそうならずに10節、11節はきましたから。うまくいったのは神戸戦(2009年1月3日、秩父宮ラグビー場、サントリーサンゴリアス67-3神戸製鋼コベルコスティーラーズ)ですよね。
村上:「できすぎくらい」って言っていましたね。
清宮:そうですね。前半リードされずにね、折り返したので。横河武蔵野アトラスターズは14位になってしまいましたけど、横河さんとは前半うちが負けて折り返したんです(2008年10月26日、ユアステックスタジアム、サントリーサンゴリアス47-29横河武蔵野アトラスターズ)。
村上:やられてしまった平尾監督、サントリーさんは?
平尾:どうも相性が悪いんですよね。サントリーさんと僕たちは。あの噛み合わせが悪いみたいなところがありましてですね。
村上:V8を止められましたしね(第48回全国社会人大会決勝トーナメント1回戦、1996年1月28日、秩父宮ラグビー場、サントリー20-20神戸製鋼、トライ数差でサントリーが準決勝進出)。
平尾:前半は内容的には、しっかりとまぁまぁ。ちょっとやはり先ほども言ったんですけど、ココっていうときにミスが出たりとか、取られたということが結局もの凄く最後に響いてきたゲームだと思いますね。そういうところも含めて、ちょっとやはりまだもう少し、もうひとつかなと思ってますけれどもね。
清宮:対戦する一週間前にどこかで平尾監督と一緒だったんですよね。そしたら、「清宮、今年はそろそろエエ勝負ができそうやな」って。
会場:笑い
平尾:ホンマに思ったんでね。
清宮:「そうですねー」とか言ってやりとりしていたんですよ。もちろん、当然それまでの戦いを観てきて、そうなるかなって思っていましたし。まぁ、相性がいいみたいで。
平尾:そろそろちょっと払拭したいって感じがしていますけどね。
村上:次にですね、「トップリーグでは自分たちのチームが一番おもしろいラグビーをしている」。これは飯島監督と和田監督代行がYES。今回は飯島監督からいきましょうか。
飯島:私たちはシーズン前にいくつか選手に質問をしてですね、アンケートみたいなものを回収するんですけど。そのなかに「何を楽しみましたか?」という項目がありまして。「楽しむ」ということを非常に大切にやってきています。自分たちのやっているラグビーが一番楽しいんだというように思ってやっているんです。だから、ちょっと観ているみなさんが、楽しいかってことはわからないですけれども、やっているみんなは楽しみながらやっています。「ワッハハ」っていう楽しみじゃないですけれどもね。やはり、うまくいったときの快感とかね。そういうものについては選手たちと一緒に楽しんでやっています。
村上:和田監督代行はいかがですか?
和田:うちは基本的には痛いプレーを信条としていますので、親にも見せられない練習もしてきましたし。
村上:最近も親に見せられない練習をしているんですか?
和田:最近はそこまではしてないですね。それを含めてですね、ボールを動かすということ。グラウンドをタテヨコにとういうだけじゃなくて、接点というか相手に当たりながらボールを動かすというところもそうですし。やはり、ラグビーは格闘技だと私たちは思っていますから。そういう面も含めてボールが動くと相手もやっぱり動かされることがありますし、それも含めておもしろいラグビーをしているのかなと思いますね。
村上:そうですね。逆に、できてないという清宮監督から。
清宮:やろうとはしてるんですけど、まだまだそのレベルに達していない。もっともっとできる。もっと動かしたいし、ボールを動かす動かさないというよりも、「なるほどな」って。「そりゃ、そうなるだろう」、そういう風になんとかしていきたい。
村上:観ているお客さんが観ていても、「なるほど」と。それがまだまだ?
清宮:まだまだだな。
村上:曽我部(佳憲)選手は後半に入るケースが多かったですけど、最近は先発ですよね。
清宮:曽我部も神戸さんの試合で自信をつけて。初めてのチャレンジだったんですけどね。
村上:あ、神戸製鋼さんと?
清宮:もちろんスタメンが始めてというわけじゃないですよ。今シーズンそういう使い方を。チャンスというか、テストというか。それに応えてくれましたね。
村上:調子に乗せてしまった平尾監督。自分たちはあまりおもしろいラグビーができてないってことですよね。
平尾:そうですね。本当に選手はがんばってくれていると思いますが。もうちょっとこう、観ていて僕らの、まだそのなんていうか・・・「こうなるよな」とか「これはトライだな」というのはわかるんですけど、それをもうちょっと上回るような「ここでこういうことをするか!」というようなプレーがまだないんです。「ここでこういうプレーを選択したかとか!」とか、「こういうプレーでいくか!」みたいなところですね。もう少しこう、観ていてドキッとするようなプレーができたら、おもしろみというものがもっと増すとは思っていますけど。もうちょっと、そこがたぶん観ている方も物足りないと思うし、僕ら自身も観ていてもうちょっとかなっていう気がしますね。
清宮:うちの曽我部とかはどうですか? そんなプレーばっかりなんですけど。
会場:笑い
平尾:微妙やな、おい。
村上:では、お客さんに実際どこが一番おもしろいか聞いてみましょうか。みなさん拍手で。こちらの監督たちはそういう認識でしたけれども、実際お客さんはどういう風に思っているのかていうことで。
飯島:キツイですね、ちょっと。
清宮:よーく見ておきますからね。
村上:では、まず1位の東芝さんから。東芝がおもしろいという方?
会場:拍手
村上:力強いですね。2位の三洋さんが一番おもしろいんじゃないかという人?
飯島:ここはアウェイですからね。
村上:東芝さんに比べて、ちょっと少なめかな。では、3位のサントリーさんが一番おもしろいんじゃないかと思う人?
会場:拍手
平尾:心配やな。
村上:気を遣わなくていいんですよ。最後に、神戸製鋼さんが一番おもしろいという方は? 拍手がほとんどないですね。
平尾:帰りとうなりました。
会場:笑い
村上:みなさん、空気読めますね。順位通りになりましたけれども。和田監督代行、一番拍手が多かったですけど。
和田:本当に今、嬉しいですね。やろうとしていることに対してみなさんがいいと思ってくれているというのが非常に嬉しくて。もうここで帰ってもいいかなと。
村上:はい、これでちょっとおもしろい結果になりましたけど。さて、この後は「期待以上に働いてくれている選手がいる」。これは全員YESということで。これは誰なのか聞いていきますか。今度は和田監督代行から。
和田:ひとりがいいですか?
村上:いや、何人でもいいですよ。
和田:やっぱり全員が期待以上の働きをしてくれたと思っていますし、あえてひとりを選ぶとなれば、キャプテンの廣瀬(俊朗)ですか。
会場:拍手
和田:ありがとうございます。シーズン序盤に、夏合宿でケガをしましてですね、出遅れた感はあったんですけど、ここまでもってきてくれてですね、新ルールにも対応できるウイングとしても。フィニッシャーだけじゃないんですよね。仕留めるだけじゃなくて、仕掛けることも。もしくはボールを出すために献身的に動き続けるとかですね。ここにきて本当に数段よくなっている。あとはもちろんリーダとしてもですね、チームをまとめてるということですね。
村上:この前の記者会見でもマイクロソフトカップのキーマンは廣瀬キャプテンと言われてましたね。
和田:そうですね、やはり東芝のカギになるのは廣瀬かなと。
村上:では、飯島監督。
飯島:昨年の日本選手権で優勝しまして、2年連続で新人賞を出していますけれども、今年の新人も活躍してくれている選手が多いので。川俣(直樹)だったり、堀江(翔太)だったり、バツベイ(シオネ)。
村上:あー。
飯島:4月、5月のですね、練習を観ると半年後のこの感じはちょっとないかなっていうのはあったんですけど、非常に短い期間でもの凄く上げてきていますし。凄いなって。やっぱり若さって、これだけ伸びるんだなって。
村上:外国人選手は?
飯島:劉(永男)選手もですね。非常に能力が高い選手だとはわかっていたんですけれども、外国人の選手のなかで韓国の方はまだあまりいないのでそういう意味ではですね、ストレスも大きいかと思いますけど。金(光模)選手という先輩もいるんですけれども。その辺りをですね、非常に調整してですね。私たちは地方にいるから、練習が終わった後もみんな行く場所がないので、クラブハウスで話をしたりですね。そうしているのがいいのかなとは思うんですけども。非常にコミュニケーションが取れていますね。本当に凄い活躍をしてくれるなっという風に感じています。
村上:プレーオフ、ケガ人が出て。そういうのは後で聞きますけれどもね。みなさん気になっているところですよね。どうですか?
飯島:あの、ご存じのようにトニー・ブラウンはもう練習を再開していますが、試合ができるような状態かどうかっていうことに関してはまだ相談をしなければなりません。ただ、この間東芝さんに大敗したことが彼のモチベーションに火を点けたのは間違いないですね。
村上:急に治るかもしれないですね。
飯島:ダニエル・ヒーナン、ホラニ・龍コリニアシに関しては全く問題ないですね。
会場:拍手
村上:清宮監督、今の情報はどうですか?
清宮:いや、知っていました。
村上:清宮監督、今年期待以上に働いてくれている選手は?
清宮:先ほどから名前を出している曽我部ですね。やはり彼には素晴らしいプレーの一面がある半面、欠点もあって。そういうところがたぶん、トップリーグのどのチームも彼に声をかけなかった。サントリーだけでした。僕が声をかけなかったら、下部リーグの方に行くような話をしていたみたいで。そういう選手が、堂々と10番をはれるようになって。いつだかの新聞に、「彼のプレーをする姿から夢を感じることができる」みたいな記事を書いていただきましてね。凄くそういう意味で、彼を観て「オレもがんばる」、「オレでもできる」と思う選手が高校生、大学生で増えてくれたらいいなと。
村上:実際、曽我部選手は努力を?
清宮:努力しているんでしょう。そういうのはあまり見せない選手なので。
村上:あ、そういうタイプなんですね。
清宮:ちょっと褒めすぎですね。さっき平尾監督にも言われたんですよ。「お前、よう我慢してるな」って。
会場:笑い
村上:平尾監督の方は? 期待以上に働いている選手は?
平尾:いや、僕はもう全員今年はよく伸びたと思いますね。特にというと、やっぱり今年初めてトップリーグを経験するという意味では3番の山下(裕史)、それから菊池(和気)、トップリーグ初年度で本当によくやってくれていた。それともうちょっと出すと陣川(真也)。春先は出られるかなという感じだったんですけど、ちょっとこっちもケガ人が多くて出さざるを得ない状況の中で。こんなこと言ったら怒るかな?
会場:笑い
平尾:結構、最後までよくがんばってくれて。まぁ、よく今年は本当に。全員なんですけど、本当にまぁ、トップリーグを考えれば彼らです。
村上:清宮監督、菊池選手はサントリーフーズから来たんですね?
清宮:菊池は神戸さんに決まった後に僕に言ってきたんですよね。「先に相談しろよお前!」って思いましたけどね。ちょっと近すぎて相談できなかったみたいで。
村上:怖かったんじゃないですか?
清宮:違いますよ。母体が同じサントリーとサントリーフーズなんで、抜けないってそういうなんかこう。ちょっと失敗したと思っていますよ。彼のよさは僕がよく知っているわけですから。
村上:それは清宮監督、平尾監督に教えてあげたりとか?
清宮:いやいやいや。言っていますよ。さっきもそういう話をしていました。彼は12番の方がいいんじゃないですか? って。
平尾:僕を迷わせとるのね。
村上:平尾監督はどんなですか? 菊池選手はもうスタンドで?
平尾:いい選手やとは思います、本当にね。大学のときからもう僕らはテレビで観て注目していた選手なので、いい選手だってわかっていましたけど。なんでサントリーに行かないんだって、彼には言わなかったですけど、心の中で不思議には思いましたけどね。
村上:次に「予想以上に強かったチームがある」。これは飯島監督だけがNO。
飯島:みんな予想している通りというか。
村上:予想外ではない。
飯島:みんな強いチームなので。
村上:では、清宮監督。予想以上に強かったチームというのは?
清宮:あまり相手のことを言うと、失礼なこともあるんですけど、変な意味じゃなくて他の14チーム中ね、ひとつだけちょっと違うラグビーをするところがあるんですよ。福岡サニックスブルースなんですけど。藤井(雄一郎)監督ともよくお話をするんですけど。藤井監督は非常に素晴らしい指導者で。「オレたちはここで勝つしかないんだ」みたいなところがあるわけですけど。確かに向こうを試合前に分析をすると、セットプレーでもうバンバンバンってやったら「これくらい、いけるやろ」と思って試合をするんですけど・・・彼らの独特なスタイルにやられて。予想以上に手強かったですね。点もすぐ取られましたし。狙ったところで取れないですし。
村上:飯島監督、サニックスはいかがですか?
飯島:サニックスさんに対しての評価はやっぱりラグビーをやっている人間から観たら相当高いと思います。トップリーグでですね、ここに名監督がいるなかで失礼なんですけれども、藤井監督が一番優秀な監督なんじゃないかなって。あの大変、無礼な言い方なんですけれども、本当にメンバーの力を全て引き出してですね、勝つ可能性というものを引き出している。私たちそれぞれ、いろいろなところで教えを受けてるんですけど。彼は本当にオリジナリティがあるし、それをやりきるという、すごくリスクにチャレンジしている。幾つも勝ってますし。私たちもちょっとサニックスさんに関してはですね、素晴らしいチームだと思います。
村上:平尾監督、その辺りはいかがですか?
平尾:いや、僕もサニックスさんやと思ってまして。
村上:そうなんですか。
平尾:負けた(2008年10月11日、京都市西京極総合運動公園、福岡サニックスブルース25-22神戸製鋼コベルコスティーラーズ)のもあるんですけど。
村上:なんだか清宮監督と・・・
平尾:いやいや、別に打ち合わせをしているわけでもなんでもなくって。僕らは実際に負けたので。初めは勝てるかなと思っていくんですけど、なかなかしぶといんですよね。だから、本当に僕はいいチームだと思いますよ。持っている自分たちの資質というものを本当にうまく活用しているというか、最大限に力を出してゲームをしている。これは本当に言い方は失礼かもしれないですけど、もうちょっと僕らは楽して勝てるかなって思ったのが今シーズンだったんですけど。僕らが負けたのは調子が悪かったのかなっていろいろ思ったんですけど、その後サニックスさんの試合を観せてもらったんですけどそんなことないんですね。しっかりと戦っていますので。そういった意味では、もの凄くいいチームですよね。僕にとっては、本当にこのシーズン負けてよかったですね。勉強させてもらいました。
村上:他にも負けていますけれども。
会場:笑い
平尾:それはそやね。
村上:和田監督代行は?
和田:予想以上にという感じではないですけど。実際に当たってみてですね、そのチームチームのキャラクターをフルに出して、試合中「やっぱりやるな」というのがですね、あるんだと思いまして。実力というか、力が拮抗しているなっていうのを改めて感じたのでYESにしました。
村上:あ、それで・・・
和田:飯島監督と同じようなことなんですけれども、それをちょっと強調したくてYESにしました。
村上:サニックス?
和田:いや、違います。全体です。
村上:全体ですね。神戸製鋼はいかがですか? 予想以上ではなかったですか?
和田:・・・強かったです。
会場:笑い
和田:本当に16-42、2トライと5トライで完敗だったので。ちょっと選手たちのモチベーションが上がったんじゃないですかね。
村上:「次はいきますよ」みたいな。
和田:いかなければいけないなって。
村上:平尾監督、このレギュラーシーズンで勝っといたのがちょっと・・・ここまでくるともう・・・
平尾:そうですね。その前に50-0で負けとるしね。練習試合があったんですよね。
村上:8月の練習試合(2008年8月22日、東芝府中グラウンド、東芝ブレイブルーパス50-0神戸製鋼コベルコスティーラーズ)で?
平尾:そのときはもうボロボロになりましてですね。ちょっと僕の中では想定外だったんですけど。まぁ、いい意味で僕らは「これはヤバイぞ」みたいな。
村上:和田監督代行?
和田:今シーズンは1勝1敗っていうかたちになって、2月1日は本当に今から楽しみですね。
村上:8月の下旬でしたよね、50-0で東芝が勝ったんですよね、府中で。あれでもう東芝は今年は調子がいいなっていう感じになりましたよね。
和田:そうですね。春のオープン戦や夏合宿とかは、本当に負けた試合が多くてですね。夏合宿は1勝2敗という感じだったんですが、神戸製鋼さんとのプレシーズンマッチであのようなかたちの結果になりましたので。チーム力というか、自信になった試合ではありますね。
村上:そうですか。5番目、「マイクロソフトカップに向けて、秘密兵器、奇策を用意している」。これは清宮監督と平尾監督がYES。清宮監督、どんな奇策を?
清宮:これから準備するんです。
村上:ここで言ったら奇策にならないですよね。
清宮:チームは昨日からキャンプで鹿児島へ行っていまして。僕は今日のトークバトルがあるので3日遅れです。
村上:もう選手たちがやってくれると?
清宮:いや、何もやっていないですよ。2日間休みをいただいて。
村上:マイクロソフトカップまでに1 回、体を休ませたいっていうのもありますよね。
清宮:そうですね。しっかりリラックスをして温泉に入って。今日も朝からリフレッシュしてるんじゃないですかね。
村上:それはレクリエーション的なものですか?
清宮:レクリエーションですね。大事じゃないですか。
村上:何をやっているんですか?
清宮:いや、何をやっているんでしょうね? よく知りません。
村上:飯島監督、何か奇策を用意しているとのことですが。
飯島:もう教えてくれないのは仕方ないですね。
村上:ちょっとケガ人情報とか、聞いておきたいこととかないですか?
飯島:いや、どのメンバーが出てきてもいいメンバーばかりなのでね。それが清宮監督の自慢ですし。戦略とか戦術に、はまればまたみんなが力を発揮するので。サントリーさんのラグビーをする前に、私たちのラグビーをやらないと非常に厳しいかなとは思います。
村上:この間大敗してしまったというのは、選手たちのモチベーションとかがマイクロソフトカップに向けて逆に高まっているんですかね?
飯島:どうなんですかね。まだみんなには聞いてないですけど。会う人間会う人間には、後から囁いて「大丈夫だ、大丈夫だ!」っていうような雰囲気を作るようにはしてます。
村上:そういえばちょっと二人の顔を見て思い出したんですけど、夏合宿でサントリーの練習試合、こっそり飯島監督は観に行ったんですって?
飯島:そうです。
村上:それ、こっそり行ったんですよね?
飯島:こっそり行きました。なかなか秘密にされていて。私もあるところから試合をやるんじゃないかと聞いてですね、キックオフの2、3分前に裏山から出てきました。
会場:笑い
清宮:でも、空港で見られとるんですよ。
会場:笑い
村上:しかも、出てきたバックスタンドに一人しかいなかったって話ですけど。
飯島:一応、コーチを含めて3人で。3人とあと藤井監督が横にいたので非常に目立ったと思うんですけど。
村上:清宮監督にバレちゃって。
清宮:いやいやいや、うちのスタッフが同じ飛行機に乗っていたんですよ。「飯島監督が来てるよ」って。「本当? 好きだねー」って。
会場:笑い
飯島:そのとき土田(雅人、ゼネラルマネージャー)さんと会ったんですよ。一応、観光旅行だって言ったんですけど。
会場:笑い
村上:そんな網走で!
飯島:蟹を食いに来ましたって。よく来るんですよっていう話をして。
清宮:三脚立ててましたから。
会場:笑い
清宮:それだけはやめましょうや!
村上:平尾監督、秘密兵器、奇策を用意しているという?
平尾:立場上、用意しないとあかんですよね。僕らは4位ですから、普通にやったらやっぱり勝てないと思うので。あれやこれやと考えてやりたいとは思います。それはここでは何をやるっていうのはなかなか言えない話ですけど。
村上:前のシーズンのときは、東芝戦はやたらハイパントでしたよね。
和田:その後、サントリー戦からいきましたよね?
清宮:でもまぁまぁ、相性はいいじゃないですか、比較的に東芝さんの方が。
平尾:そうでもないですよね。
清宮:いやいや、最終的な得点差を見ちゃダメですよ。中身を観ると、結構ね。
和田:今、言われたその去年のシーズンですか。味の素スタジアムでハイパントも含めてですね、いろいろと本当にこうやられて。逆転されたり、選手もしんどそうでしたね。
清宮:去年のシーズンだけでもないですね。この2年、3年ですね。
村上:・・・だそうです。またなんかやってくるなっていう?
和田:もちろんそれは。それを今日は聞こうかなと。
会場:笑い
村上:もうちょっと具体的になんか?
平尾:いや、本当にこれからちょっと考えて手を打ちたいなと。僕らは本当に挑戦者で、本当に謙虚に、もうきれい事に聞こえちゃうんですけど、本当に僕たちはそういう気持ちでいますからね。本当にそんな感情はありませんけどね、実際は。
和田:お~い東(健一、運営担当)!
村上:マネージャーの方のお名前ですが。

取材・文/CREW 撮影/新関雅士

 
→後編へ
村上晃一
和田賢一
飯島均
清宮克幸
平尾誠二