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@ぴあ/HOTスポーツ人気連載コラム「金子達仁のサッカーコラム~グリーンカード~」で健筆をふるうスポーツライター・金子達仁をホストに、スポーツについて熱く語る「ぴあトークバトル」。3月4日に行われたイベントの模様を、そのままお届けします。
 vol.8 後編
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「どうなる! 2001年のJリーグ」(後編)
前編はこちら

出演者プロフィール
ホスト:金子達仁(スポーツライター・右)
'66年、神奈川県生まれ。法政大卒業後、「サッカーダイジェスト」記者を経て、'95年にフリーライターとなり、スペインに移住。「28年目のハーフタイム」「決戦前夜」などベストセラーを生み出した。今、日本で最も売れ、最も刺激的なスポーツ・ノンフィクション作家。
ゲスト:中西哲生(スポーツジャーナリスト・左)
'69年、愛知県生まれ。同志社大から'92年に名古屋グランパス入り。'97年から川崎フロンターレでキャプテンを務め、2000年にJ1昇格を果たした。昨シーズン限りで現役を引退し、現在はスポーツジャーナリストとして、テレビ、雑誌などで活躍している。著書に「魂の叫び J2聖戦記」(金子達仁、戸塚啓共著)。中西哲生オフィシャルサイト:www.tetsuo-n.com。
宮澤ミシェル(スポーツコメンテーター・中央)
'63年、千葉県生まれ。国士舘大から'86年にフジタ工業(元ベルマーレ平塚)に入社。'92年にジェフ市原に移籍した。'93年に日本国籍を取得した後、アジア大会日本代表候補に選出された。'96年に現役引退。現在はNHKや東京スポーツ、ラジオなどでサッカー解説を行っている。

客:F・マリノスはどうですか?
宮澤:F・マリノスは心配だなぁ。でも昨日はハレルヤ(韓国)ってチームに6対いくつかで勝ったよね。だけど逆に心配だよ。2-0くらいなら説得力あるんだけど、大差だと相手チームはメンバー揃ってないぞって思っちゃうから。
中西:爆発! とか新聞に書いてあったけどね。
宮澤:ダメだよ。あんだけ選手を出して、補強はユースから上がってきたのだけっていうのは許せないな。
金子:何考えてるの状態ですよね。よく柳想鐵(柏レイソル)を出した!
宮澤:柳想鐵がいないのは痛い。スピードのあるエジミウソンも出しちゃったんだよ、どうすんだよなあ。それに三浦淳宏まで、なんで出すかな。
中西:いや、出たかったらしいですよ、本人が。石川(直宏・横浜F・マリノスユースから昇格)は将来はあるけど、今はまだ無理。前はいいけど、後ろはどうなんですか、ディフェンスできるの?
宮澤:石川はいいモノ持ってるよな。髪の毛いいなー、羨ましいよ。
(会場:爆笑)
中西:石川のあの速さはいい。レッズの岡野より凄い。でもディフェンスはちょっと心配なんですよ、僕は。
宮澤:それはわかる。だけど日本は左サイドにいい選手が出て来ないよな。
金子:でも僕らがサッカーしてた頃より左利きの子は多くなってきてますよね。
宮澤:スペシャリストが出てきて欲しいな。
金子:スペシャリストってある程度育てるものじゃない?
宮澤:とりあえずF・マリノスは厳しいよな。
中西:城がどれだけ頑張るかでしょう。城ひとりにかかってるようなものだよ。だって俊輔(中村・横浜F・マリノス)も狙われるに決まってるし。かわいそうですよ、あれだけいろんなメディアに登場させられて。去年も思ったんですけど、なんで柳想鐵をボランチで使わないんですかね、あんなにシュートがヘタなのに。エジミウソンでいいじゃないですか、前は。
宮澤:うん、全然それで良かったな。
中西:柳想鐵はボランチがベストポジションだと思うんですよ。ボランチから飛び出すことで持ち味が発揮できる。だから西野さん(朗・柏レイソル監督)はよく見てるなと思うんです。最初からボランチで使うって言ってますから。
宮澤:洪明甫(柏レイソル)もそうだよ。リベロから飛び出して数的優位を作るのがうまいんだよな。最初から前にいると不器用さが目立つんだ。
中西:そうそう、スムーズにボールを扱えないんだけど、後ろから上がっていくとひとり余るから。だから、ベストフィットするポジションに使えるかって問題もあるんですよ。まあ理由はいろいろあるんでしょうけど。
宮澤:F・マリノスはケガ人出たら大変だよ。アルディレス(横浜F・マリノス監督)もチームとうまくいってねえな。
中西:エスパルスでペリマン(元清水エスパルス監督)とやってた時は良かったんですよ。アルディレス監督って練習でゲームしかやらないのね。清水の時はペリマンがディフェンスをトレーニングして、アルディレスが攻めをトレーニングしてたんです。その時はバランスもすごく良かったんだけど。アルディレスひとりになると、攻めはいいけど後ろは崩壊してますからね。俺は去年も崩壊してたと思ってます。メンバーはほとんど日本代表クラスなのに、ガタガタですよ。
金子:1stステージ終盤戦なんて、能活(川口・横浜Fマリノス)の神がかりなセーブで守ったようなものだもんね。
中西:特に外からのボールにやたら弱い。一番基本なんですけど、外から攻められて何が厳しいかって言うと、中の選手を見ながら、センタリングをする選手を見なくちゃいけないんですよ。それを裏から来ても表から来てもいい状態に保って、いいポジションをとっていることが大事なのに、誰も見てなかったからね。
宮澤:こういう遊びの多いチームが、得点力だけで1stステージ優勝しちゃったっていうのは、たまらなく面白かったよね。
金子:凄かったですよね、ボールを回して回して。
宮澤:でも、この間 アルディレスのインタビューをやってたけど、すっげぇ強気だったよな。また今年も行くぜ、なんて感じだったよ。「ひとりひとりが10パーセントレベルアップすれば、今年もまた問題ない」なんて、そんな簡単にいくわけねえんだから。
中西:出ていった選手のマイナス分をどこで計算してるんだろう。減ってんじゃねえかよ、みたいな。
宮澤:ありゃ、やっぱり小さな巨人だな。
中西:あの自信満々なところにみんなつられてるかもしれない。
金子:でも監督が自信持ってるっていうのは、トルシエも含めて大事なことだよね。
宮澤:トルシエもね(笑)。
中西:まあヤツはダメだ。
(会場:爆笑)
金子:ポロッとこぼしたのをこれ幸いに、その話を振ろうかな。ベンゲル(プレミアリーグ・アーセナル監督)を知ってる中西君、ベンゲルとトルシエの違いは何でしょうか?
中西:すべてが上でしょ、ベンゲルの方が。レベルが違うよ、レベルが。
宮澤:代表監督はやりたくないとかいう話もあるよな。
中西:まだやりたくないでしょうね。ストイコビッチも現役引退したらすぐにユーゴスラビアの代表監督就任なんて書かれてるけど、本人はやりたくないって言ってますけどね。トルシエの話に戻すと、とにかくベンゲルとはレベルが違うから。
金子:具体的にわかりやすく。
中西:それをここで話すと長くなっちゃいますよ。
(会場:拍手)
中西:とにかく普通の人がテレビで見てても、なんでこの人をここにキャスティングするのかなってことが多いじゃないですか。それって僕も思うし、みんな思うことなんですけど。
金子:でもファンは熱狂的にサポートしてますよ。
中西:それは勝ってるからでしょ。結果が出てるからですよ。もし負けてたら辞めろって言うでしょ、みんな無責任だからね。だって選手のおかげで勝ってるんですよ、戦術のおかげで勝ってるわけじゃないの。選手はみんなすごくレベルアップしてますよ。だから選手が素晴らしいのであって、監督が素晴らしいわけじゃありません。代表に入った選手で、どれだけコンディションが落ちてる選手がいるかわかってないと思うんですけど、レギュラーの11人はしっかりトレーニングしてます。でも残りの選手は放ったらかしです。代表からチームに帰ってくると、関係者は「なんでこんなコンディションにして戻してくるんだ」と怒ってるわけですよ。
金子:この間の代表合宿での辞退、リタイアの数にはっきり現れてるよね。
中西:そうだと思いますよ。そういうことも含めてすべて納得いくような人事であったり、選手のキャスティングであったり、練習方法であったり、そういうことがなされているかというのは100パーセント疑問でしょう。ベンゲルはまずそういう部分での疑問は全くないからね。
金子:ベンゲル、あんたが推薦したのと違うんかい、って感じですね。
(会場:爆笑)
中西:違いますよ。
金子:違うの?
中西:はい。推薦したとは言ってない。「I introduced him」、彼を紹介したと言ってましたよ。「イントロデュース」は“推薦”じゃないよ。トルシエはベンゲルが推薦した監督だからみんなから信頼されてるというのであれば、それは違うよね。でもみんな心のどこかにベンゲルが推薦したからというのはあると思うんです。
宮澤:そりゃ紹介はするよな、誰でもな。
中西:俺だって友達に「可愛い子いたら紹介するよ」って言うもん。それだって一緒でしょ。トルシエはすごく斬新なサッカーはしてると思うし、新しいスタイルを日本に提供してますよ。でも、あのスタイルで今は勝ってるから問題ないけど、もし負けたら「なんで右サイドに望月(重良・ヴィッセル神戸)なんだよ、なんで中村(俊輔・横浜F・マリノス)が左サイドなんだよ」ってことになるじゃないですか。でも試合前のメンバーには、中村は左の前に書いて、右サイドは右の後ろに書いてあるんです。だから本当は3-5-2じゃないんですよ、形としてはね。そんなのも含めて、斬新なことをやろうとしてるんですけど、それは選手の能力でうまくいってるだけであって、じゃあ代表の中で中村の力が100パーセントうまく出ているのかと、中田浩二(鹿島アントラーズ)がこのポジションでフィットしてるのかと。もし一回負け始めてダメになったら、みんな「なんだよ」って不満が出てくると思うんですよ。今は選手が頑張ってそのサッカーに合わせてるからやれてるだけであって、選手の良さを引き出せばもっと良くなると思うんですよ。だからベターではあるけれどベストではないというのが、僕のトルシエ評です。ベストはベンゲルだと思うし、実際は1年では厳しいと思うんでね。短期間で結果を求められるよりも、2002年以降にベンゲルにやって欲しいなと。ベンゲルがいいって理由はほかにもたくさんあるんですけど、それ以上話しても長くなっちゃうんで。こういうことがあるんで、僕はトルシエよりベンゲルがいいと言えるわけです。
(会場:拍手)
宮澤:でもあれだけなぁ、サポーターからコールされる監督は初めてだしな。うまいことやったと思うけどな。
(会場:爆笑)
金子:思いのすべてが伝わってしまうようなコメント、ありがとうございます。
中西:選手はトルシエのことを信仰してるじゃないかって言いますけど、そりゃあ監督代わって選ばれなくなったら困るからね。代表で試合に出られない選手にインタビューして聞かなくちゃねぇ。中村俊輔にトルシエについて聞いたって、そんなに悪いことは言わないですよ、選ばれてるんだから。
金子:現実問題として、日本代表はどんなにテストマッチを組んだとしても、2002年まであと20試合あるかないかですよね。クラブチームのシーズンに当てはめると完全に一年は切ってる。まだ監督を代えるのは間に合う時期だと思うのですが、リスクは大きいじゃないですか。このまま行くべき?
宮澤:俺は最初から早く代えて欲しいと。イヤだったから、ああやってギャーギャーするのが。
中西:品がないもん、品が。
(会場:爆笑)
宮澤:トルシエが凄いことやったな、と俺が思ったのは国立競技場のウズベキスタン戦か何かで中田(英寿・ASローマ)が前に出て俊輔を中に入れてみたいなのを初めて観たの。交代選手でハマったのはあれだけだな。
金子:代えられないんですよね。
中西:小心なんですよ、小心。代えられないんだもの。
宮澤:そういう所を見ちゃうと、ホントに大丈夫なのかと。トルシエのそういうところ、「大丈夫かな?」と思ったのはだいぶ前だよね。それがなんだかいい感じになってきちゃってさ。
中西:直感が合ってるよ。およそ1年くらい前に俺なんかも言ってたもんね。
宮澤:代表の監督だったら言葉もある程度はな。フランス人は頑固なのよ。俺の親父も一緒! 思い出したよ、俺の親父もフランス人だったんだ。
(会場:爆笑)
宮澤:そうだよ、俺の家に畳はなかったんだよ。そういう堅さがあるんだよね、フランス人は。でもトルシエの家はドアを開けると、兜かなんかがちゃんと置いてあるとか。
金子:ただ日本の家庭にそんなものないわけでしょう。それは今の日本文化じゃなくて、単なるレトロな日本主義。まあ別に性格はいいのよ、いいサッカーして勝ってくれれば。
中西:だから別にバッドじゃないし、ワーストじゃない。でもベストじゃない。
宮澤:新しい血は意外と入れたんじゃないか。
金子:全部ダメと言ってるわけじゃないし、彼がサッカー協会に対して突きつけた要求というのはもっともなことが多かったですよね。
宮澤:多かった。スケジュールとかな。代表もあれだけ選んで。・・・ただあれはフランスのコピーだな。
金子:かなりコピーですね。
中西:フランスがワールドカップで優勝した時のビデオ、何回も見せられてますからね。
宮澤:ああやって戦っていくものなんじゃないですかね。
中西:それは大事なことだと思うんだけどね。意識的な部分や協会との関係はすごく整備してくれたと思うんだけど、肝心のサッカーについてはね・・・・・・。
宮澤:果たして、3-5-2でフラットなディフェンスラインでいいのかよ。
金子:ディフェンスをされてたおふたりとしてはね。
宮澤:ん~、世界と戦うには大変だろうな。あれは3-5-2じゃないんですよ。やっぱり後ろが“5”なんだよ。いつも中盤的な要素を持ってる人を左サイドにだけ置いてさ。だから3-5-2というシステム的に見たら、右サイドのポジションで名良橋のような、一発でディフェンスを破れてセンタリングを出せる選手は要るんだよ。そういう選手を置かなかったら、3-5-2としての魅力はないよな。
金子:3-5-2というのであれば、絶対にサイドアタッカーはふたり必要なんですよね。
宮澤:引き分けの試合が多いじゃない。引き分けでうまく逃げてるのよ。じゃあホームの試合で勝負に出たかというと出てないでしょう。
中西:ホントそう。3バックは無理だよ。フラットは厳し過ぎる。
宮澤:南米選手権('99年にパラグアイで開催)の時さ、ハーフウェイラインをちょっと越えたあたりから、相手にクロスボール上げられてぴったり合ってやられた時には、日本で一番強い選手が競ってたのにどうしようもないんだよ、ディフェンスラインを下げるだけで。代表の練習に行くと、必ず下がる練習してるよな。
金子:10年前にサッキ(元ACミラン監督)がよくやってましたね。
中西:アジアのチームが相手だったら、ペナルティエリアの外からはいいシュートが来ないから下がってもいいけど、ヨーロッパとか南米のチームとやったらすんごいシュートが来るし。アクーニャ(パラグアイ代表)のシュートなんてすっごいよ! しかも入るから絶対に下がっちゃいけないんですよ。とにかく3バックでやるなら、フラットでもいいけど下がらないトレーニングをしなくちゃいけないのに、下がるトレーニングをしてるからね。
宮澤:シドニー五輪のブラジル戦だって、アレックス(ブラジル五輪代表)にやられた時は3人が寄り過ぎたんだよ。ちゃんと首振って見ておけば、気付けたんだよ。でもこれからはああいう所が大事だよ。あそこで一発やられたら、取り戻せないんだから90分かかっても。
中西:もっと整備しなくちゃいけなくなるから、そうなるとあの監督じゃヨーロッパや南米に勝つのは苦しいですよね。アフリカやアジアのチームだったら勝てると思うんです。
金子:でもシドニーで一番やられたのは南アフリカ戦だったでしょ。1対1で強いチーム相手に勝つのは相当しんどいですよね。南アの選手は、確かにプレミアリーグでやってる選手もいるけれども、一流かと言うと違いますからね。
中西:だってサブだよ、プレミアで。
宮澤:ただ組織でやろうとするのは間違いじゃないと思うけど、そのための手としてはどうかというところだね。
金子:ということでですね、今回でトークバトルも8回目ですか。たぶん空前の盛り上がりを見せているんじゃないかと思うんですが。
宮澤:ホント?
金子:うん。こんなに、こんなに暴露しちゃった会はないよ。じゃあ、質問タイムに行きましょう。ハイ、どうぞ。
客:3人とも解説をしていらっしゃいますが、解説のやり方っていろいろあると思うんですね。僕は金子さんがやっているスペインリーグの中継がすごく面白くて、いっつも楽しく観ているんですが、でもNHKの中継って、硬くて当たりさわりのないことしか基本的には言わないじゃないですか。やっぱり世の中の人にサッカーを観てもらうためには、サッカーの面白味をなるべく伝えた方がいいと思うんですが、3人の中継に対する考え方を教えて下さい。
宮澤:Jリーグが始まった頃からすると、観る側のレベルが非常に上がってきたということと、解説を聞いて楽しもうというところまでやっと来たのかなと。実況は実況でちゃんとするけれども、もう少しみんなと会話ができるような解説にしていきたいとは、僕も思っています。これ本音。
中西:解説は、僕は3種類用意してて、一応ケーブルテレビ用とBS用と地上波用と分けて使うようにしてます。これからもそれでやっていくつもりだし、基本的に僕が解説をする時は「解説」をします。実況はしません。選手の車の種類とかも言いません。サッカーの話をしたいので。僕の解説を聞いてつまらなかったら、ぶん殴ってもいいです。僕は画面の端も全部観てるし、画面で観えないところも観てるし。特にCSの解説は自信があるんで、しっかり観て欲しいし、僕もサッカー解説としては新しい形でやっていきたいと思ってます。J1、J2については、僕が持ってる個人的な情報をなるべく拾っていきたいしね、海外の試合はサッカーについて、どこが日本と違うのか、日本はどこがダメなのか、どうすれば日本はこうなるのかとか、一点をかなり深く掘り下げてやっていきたい。地上波はサッカーを知らない人も観ているわけだから、サッカーを違うスポーツに例えたり、いろいろな例えを交えながらわかりやすく、広く浅くやっていきたいと思ってるし、BSはCSと地上波の中間でいきたいと思ってるんで、期待して下さい。
(会場:拍手)
金子:なんかいきなりお前、超真面目だったよ。
中西:だってお金ないもん。働かないと。
宮澤:俺は逆に聞きたいな。どういう解説を聞きたいのか。
客:僕個人の意見なんですけど、金子さんがやってるスペインリーグは、実況を倉敷さんという方がやってるんですけど、今やっているその試合をすごくとらえているんですよ。その日の気候とか、試合前のニュースでこんなこと言ってたとか、この試合に向けての監督のコメントとか、その時の選手のコンディションなんかを情報として押さえていて、テレビの前で「これどうなってんだよ」と思ったことが、10秒後には答えが返って来るんですよ。すごく観ていて気持ちがいいし、ストレスが溜まらないんです。倉敷さんも金子さんも「サッカーが好きなんだなぁ」というのが伝わって来るんですよ。
中西:ちょっといいですか。今言った解説というのはさっきの質問と逆行しているんです。というのは、この日はどういうコンディションで、雨が降っているとか、この選手は今週ケガから復帰したばかりだとか、それはサッカー解説には必要ないんですよ。それは実況する人が全部伝えることであって、それを解説がやっているのがすごく気に食わなくて、純粋にサッカーの話をしたいわけですよ。金子さんがすごくこだわっているのは、「解説」ではなく「ゲスト」としているところ。金子さんは「俺は別にサッカーの解説をするわけじゃなくて、好きなことを話すよ」ってことなんだけれども、それはすごくいいスタンスで、観ている人の気持ちを汲んだ上での会話もあると思うんです。視聴者の視点で観てくれているから。それにスペインにいた知識もプラスアルファされて、すごく面白くなっていると思うんですよ。僕は金子さんとは絶対違う形になるんです。実況の人にいつもお願いしてるんだけど、僕は情報は言わないからそちらでなるべくたくさん言って下さいね、僕はサッカーの話をしますよって。それが僕のやっているスタイル。金子さんがスペインリーグでやってるスタイルっていうのは、要するに解説はあまりなくて、観ている人が解説者になれみたいな感じだから、すごく面白いと思うんですよ。それはそれですごくいいと思うんですけど、僕は解説として新しいものをやっていきたいという感じですね。新しいものと言ってもホントはそれが当たり前なんだけどね。日本はプロ野球の悪しき習慣があるから、解説者が「あいつは昨日何食って」とか、関係ない話をするんですよ。野球の話をしてるのなんて、掛布(雅之)さんと江川(卓)さんだけですよ。
客:実況の方が情報を提供するのは金子さんのところも基本的には一緒で、金子さんが昔スペインにいらしたので、その情報が出て来るという形。だから実況の方が持っていない情報を金子さんが提供する形ですね。当然、中西さんとか宮澤さんはサッカーをやっていたので、やっている側からのコメントがあると思うんで、実況の人の情報プラスやってる立場からのコメントが出て来るとすごく面白いと思います。今Jリーグの解説って、どの試合を観てもみんな同じですし、例えばF・マリノスだったら必ず中村俊輔に注目なんですよ。今日は別の選手が調子がいいのであれば、そっちに注目するべきなんですけど、必ず中村俊輔だったりして、そうじゃないだろうと思う時があるので。その時その時のナマの情報が聞こえてくると、もっと面白くなるのになと思うんですよね。
中西:すごく参考になったんで。僕とミシェルさんが変えていきます。
客:レフェリーの話なんですけど、totoが始まるようになって、レフェリーがミスジャッジをした時に、自分は全部正解だったのにそのミスジャッジのせいで、ひとつ外れたって状況が出てくると思うんですよ。今朝、金子さんがやっていたレアル・マドリッド-バルセロナ)戦で、最後にバルサのゴールがオフサイドになって、点が入らない場面があったんですけど、例えば試合後にビデオで観て判定が覆るようになった方がいいのか、レフェリーもミスするものだと割り切った方がいいのか。スペインでああいう試合があった時に、社会的に問題にならないのか気になったんですが。
金子:問題にはならないです。そのミスジャッジで当たりを外した人がいるということは、そのミスジャッジで当たった人もいるわけですよ。
中西:覆ることはないと思いますよ。そんなことしたらキリがなくなっちゃうんで。
金子:日本人の潔癖症が現れていると思うんです、まあアメリカ人もそういうところはあるけれど。人間はミスするという前提に立って見るべきだと思います。監督問題にしても、クビが飛んだら、あるいはトレードに出されたら、もうこの世の終わりみたいな雰囲気がちょっとあるでしょ。またやり返せばいい。岡田さん(武史・コンサドーレ札幌監督)は日本代表監督をクビになりました。でも経験を積んでまたやり直せばいいんですよ。そういう目があまりにもないのでね、日本は。
宮澤:ないよな。レッテル貼られちゃうよな、日本は。
金子:だからそのまま放っておいていいと思いますよ。そうやって文句を言うのも、長い目で見ればみんな楽しんでるんですよ。
客:天皇杯決勝の2点目(清水エスパルスのペナルティーエリア内に選手が倒れている状態のままゲームが続行され、その間に鹿島アントラーズがゴールを決めた)について意見をお聞きしたいんですけど。別にエスパルスファンではないんですが、スタジアムで観ていてあまり気分が良くなかったんですよ。雑誌を読んでも、あれは勝負に徹する意識の高さが良かったという意見もあれば、あれはフェアプレイじゃないという意見もあるんですよ。みなさんの意見を知りたいんですが。
宮澤:ピッチサイドにいましたけれども、レフェリーが止めていいんじゃないかなと。1回ハーフウェイラインまでボールが戻りました。あの時はショックでしたけどもね。ただ、市川(大祐・清水エスパルス)が本当にダメな状態なのかどうかも判断きかなかったし、勝負だったら仕方ないという面もありますわな。
客:ただ、あんなふうにゴール前で人が倒れてるのに、プレイが続いたというのを今までに見た記憶がないんですよ。
宮澤:ああ、俺もなかったね。あのゲームを左右したよね。だからと言って、レフェリーにコノヤローとか、市川倒れてる場合じゃねえとか言ってもね。俺だったら選手に「お前、どうなんだ!」って聞くよ、近寄って。ディフェンスだったら、あそこで運ばれるくらいだったら仕方ないと思うんだけど、立ち上がれるくらいだったら状況を見てるはずだけどな。
金子:確かに彼はゴールが決まってから、すぐに立ち上がりましたけどね。
宮澤:俺はダメだな、それは。
金子:もしイングランドでああいうことが起こったら、メディア、ファンから袋叩きでしょうね。同じことがスペインのレアル・マドリッド-バルサ戦で起きて、バルサが点を取ってしまったとしたら、マドリッドのメディアは総力を挙げて「バルサは汚い」って攻撃するでしょうし、バルサは「合法的だ」と言うでしょうし。国民性によって評価の分かれるところだと思うんですね。日本人の国民性からいくと、やっぱり嫌いだと思うんですよ。ただ、サッカーの場合、現場でヨーロッパや南米の、特にラテンの国の指導者と接している人が多い。選手としては、あれはやっちゃった方がいいんじゃないか、あれがマリーシア(ポルトガル語で「ずる賢さ」)だと思ってるところってあるんじゃないかと思うんですよ。だから日本人の意識と、外国人と接している日本人選手の意識の差が、後味の悪さを生んでいるんじゃないかと思います。僕は嫌いです、ああいうの。
中西:僕も嫌ですよ、ああいうの。フェアプレイでやりたいんでね。ただどこの国でも起きることであって、サッカーが議論の対象になったりすることが僕は、不謹慎かもしれないけど楽しいし。逆に言えば、こうやって議論があった中で、ゼロックススーパーカップではエスパルスは「今日は絶対勝ちたかった」って、高いモチベーションで試合に挑んで勝ったしね。アントラーズは最初からモチベーションが低かったけど。ある意味そういうのも勝負のあやで面白いし、エスパルスはリベンジを果たしてスッキリしただろうし、そういうことがあるから楽しいんだと思うのね。議論をしながら、選手もサポーターも新たなモチベーションを見つけて次の試合に向かって頑張るのが大事だと思うんで、その場で何が起きたかよりもその後どうするかが大事なんだよ。日本人はとかくその事柄について議論するんですけど、その後どうするかってことを考えるのが大事なんじゃないですか。
客:さきほど、左のスペシャリストがいないという話がありましたが、清水エスパルスのアレックス選手(ブラジル)が帰化申請を準備中だということなんですけども、仮に彼が帰化申請をして日本国籍を取得できた場合、彼は日本代表にフィットしますでしょうか。また、'99年の2ndステージにエスパルスが優勝した時に、優勝パーティでとあるテレビ番組のニュースキャスターが、アレックス選手に「日本国籍どうすんだ」みたいな感じで聞いてたんですが、本人の根幹に関わるようなことを、そのような場で聞いてしまうという、スポーツメディアに対する意見、感想を、特に宮澤ミシェルさんにおうかがいしたいんですけど。
宮澤:アレックスがまず国籍を変えてプレイした場合は、代表で見てみたいという気持ちはありますね。ただ、俺はあんまり3-5-2というシステムが好きじゃないから、違う形で戦った時に、彼をどこに入れようかなっていうと、結論が出ません。調子は良くなってきてるし、ぜひとも見てみたいっていうのはありますけども。
金子:彼はタッチラインのスペシャリストじゃないですか。じゃあ、右サイドに名良橋君が代表に呼ばれているか? 呼ばれてないわけですよね。サイドに選手はいても、仕掛ける選手はいないですよね。たぶん雛型になってるのは'98年のフランス代表だと思うんですよ。あれもサイドアタッカーらしいサイドアタッカーのいないチームだった。アレックスはいい選手だと思うし、日本国籍を取ったら代表に使って欲しいと思いますけれど、今のチームだと入る余地がないし、入れたら今までのチーム作りは何だったのという気がしてしまうんですけどね。
宮澤:あれをよしとして、例えば左サイドのアタッカーとして使うのか、今まで通り中盤からディフェンスの要素で入れるんだったら、もったいないよね。
金子:そしたら、彼は大した選手ではないですよね。
宮澤:国籍のことっていうのは、俺はそのインタビューの場面を見てないんだけれども、きっと率直に聞かれたんでしょう。これは悩むよな。俺は日本で生まれて日本で育ってきたけれども、悩んだ。悩んだけれども、変えられなかった。フランス側が変えてくれなかったし。彼は向こう(ブラジル)で育って、サッカー選手としては日本で育ててもらったって気持ちにはなってると思うけれども、やはりお父さんお母さんと違う国の国籍を持つというのは、きっと悩むと思うしね。俺は昔、セルジオ越後さんに「お前、どこで死にたい?」って聞かれた時に「俺は日本だ」って答えて、「じゃあ、日本国籍でいいんじゃないか」って言われたこともよく覚えてる。いろんな人のいろんな意見を聞いて悩んだ。本人が決めることだし、まあメディアからポンと質問をぶつけられても、それに答える強さを持って欲しいというかさぁ。ある時、BBCって英国のメディアからストイチコフ(元柏レイソル)に来た質問状を、ある人を通じて訳してもらったんだけど、とんでもない質問がいっぱいあるんだよ。でも本人はへっちゃらで答えていくよ。そういう強さというのを、彼らは持ってるね。「ロマーリオ(ブラジル代表・かつてバルセロナでストイチコフの同僚)と、試合の前日にお前ら飲みに行ってたけど、試合に差し支えないのか、確か次の日負けてたよな?」とか、すごい質問ばっかりだけど、どんどん答えていっちゃうからね。
客:小野選手(レッズ)が矢面に立たされてるって話があったんですけど、日本の選手もそこらへんの強さは持たなきゃいけない部分なんでしょうか?
宮澤:小野に関しては、あの当時まだ早すぎると思った。これはダメだと思ったね。デル・ピエロ(ユヴェントス・イタリア代表)が出てきた時なんかはさ、通路なんかではやたらとインタビュー受けてるんだけど、ズラッと記者が集まった中に立たせて答えさせることはしないとかさ、球団がうまく隠すところは隠してたよね。そのへんは保護じゃないですか。でも強さは持って欲しいよね。
金子:じゃあ、最後の質問。
客:J1のところで話に出てこなかったサンフレッチェ広島とヴィッセル神戸なんですが、サンフレッチェは今年監督が変わった、ヴィッセルはカズ(三浦知良)、望月(重良)、サントスが入った。かなりチーム構成が変わって、今年はどうなるのかと、今年J2からJ1に上がるチームはどこなのか、ということを教えて下さい。
中西:サンフレッチェはですね、これまでのサッカーを根底から覆すようなサッカーをしようと思ってるんで、スタイルを変えるという意味ではFC東京と同じような形になると思うんですよ。ロシア人のヴァレリーはとても理論的な監督で、攻撃的なチームになると思うんですけど、それがどこまでモデルチェンジできるかなというところですね。マイナーチェンジじゃなくてフルモデルチェンジなんでね、ちょっと厳しいかなと。ただそれがハマればね、たぶんハマる試合もあればハマらない試合もあると思うんで、波が大きくはなるんじゃないかなと思いますけどね。あと3バックだったのを4バックにしたんで、そのへんをどう流動的に動いていくのかっていうことが、すごく心配。だから結果的に1stステージはちょっと厳しいんじゃないかと思うけど、2ndステージは良くなる可能性があります。ヴィッセルはおととい取材して来たんですけど、日帰りで。カズさんと望月のインタビューをして、紅白戦も見て来ました。監督とも話をしたんですけど、いい選手は確かにいますし新しい選手も入ったんで、ヴィッセルも全く同じで、今までやっていたパワフルなサッカーをするんじゃなくって、つないでサッカーをしようとしているんですよ。今までと180度変わるサッカーで、これもフルモデルチェンジだと。ただフルモデルチェンジをする上で、望月とサントスが真ん中にいるっていうのは大きいですよ。彼らふたりがシーズンを通してケガをしなければ、化ける可能性は十分にあると。カズさんは調子がいいと思うんですけど、いかにそこにボールを供給できるか。なるべく組む選手は、スペースに流れてカズさんにスペースを空けられる人じゃないとね。カズさんはサイドに流れてセンタリングするというよりは、やっぱり決定力があるんで、真ん中にいて仕事をして欲しい。カズさんを生かすべくフォワードのパートナー、たぶん藪田(光教)か和多田(充寿)かダニエルなんですけど、そのうちの誰がなるか。まあ和多田よりは藪田の方が、サイドに流れるから楽かな。ダニエルは、ちょっと運動量が少ないんで厳しいかなという状況でした。総合的に見ると、1stステージの頭から行く可能性はあります、ケガ人さえ出なければ。ケガ人がヴィッセルの敵。ひとり抜けても厳しいですね、そこがポイントになってくると思います。
宮澤:中堅のチームが増えてきたと思うな。だから上は苦しめられるよな。ヴィッセルもFC東京も含めてね。
中西:どっちも侮っているとtoto外されるぞ、みたいなね。
宮澤:怖さはあるよね、確かに。サンフレッチェも厳しいだろうけど、去年みたいにセットプレイでバンバン上がって点数稼いできたりさ。今年はホント、やり方を変えて「攻撃」なんて、この間も練習試合で2点だか取って。そのへんがまた怖さだけどね。
中西:それからJ2はですね、今年が今までで一番難しいですね、2チームを読むのが。トリニータも万全じゃないし。僕はまあ、アルディージャが来ると思ってますけど。ただ大宮もバルデスがいないとキツイかなと。バルデスが44試合出られれば、絶対に来るね。それくらい力のある選手だし。あとはアルビレックス新潟とモンテディオ山形に注目してるんで…。
金子:えっ、山形!
中西:そう、柱谷さん(幸一・モンテディオ山形監督)と反町さん(康治・アルビレックス新潟監督)にね。チームじゃなくて監督に注目してるんですよ。解説していて、サッカーを語っているJリーグ創世期に選手だった人たちが、初めて監督になるわけじゃないですか。そういう人たちが監督になって、どんなチームを作るのか、そのへんが注目しているところ。強いかどうかは別ですよ。
宮澤:いやー、山形は厳しいぞ。
中西:うん、厳しいと思うよ。柱谷さんも言ってたもん、選手を獲得できないって。
金子:ソリさん(反町監督)は、ご機嫌だったよ。黒崎(久志)を取ったのはデカいですよね。J2だと、デカくて一発のある選手が生きるからね。
宮澤:ただシーズン長げぇんだよな~。
金子:で、移動がJ1より過酷。
中西:ホントきついっす、移動。
金子:それこそ飛行機でダイレクトに行ける都市じゃないところが、いっぱいありますからね。
宮澤:そうだねぇ。大分なんてなぁ、ホバークラフトでなぁ。酔っちゃったもんな、俺。
中西:東京にいるチームは楽なんですよ、まだね。だから大分のチームなんて、例えば大宮に行くのキツイでしょ、羽田から遠いじゃん。選手ってそういうの結構キツイんですよ。試合前日に飛行機に乗って行くじゃないですか。気圧が変わると、体の調子ってやっぱ変わっちゃうんです。新幹線でも車内は気圧変わるんですよ。まだ新幹線の方がそんなに変わらないから楽ですけど、飛行機に乗るとかなり気圧が変わっちゃうんでね。
宮澤:飛行機がダメなヤツっていなかった? チームに。
中西:いますよ。そういうこともあるし。それにバスも長時間乗ってると疲れますからね。それらを加味すると、トリニータが勝てそうで勝てないのは、移動距離の多さも絶対あるよ。コンサドーレは、普段からジプシーしてるから割とカバーできるけど、トリニータは厳しいっすよ、やっぱ。
宮澤:ジェフは楽だったぞ。
中西:じゃ、なんで勝てないんですか!
(会場:爆笑)
宮澤:俺はこんなにいい所ないと思ったよ、歳取ってから。東京駅なんてすぐでしょ、羽田なんて25分でしょ。海外キャンプなんか成田に下っちゃえばいいでしょ、40分。渋滞なしだから。
中西:で、なんで勝てないんですかね。
宮澤:ちょっと楽過ぎたかな。楽過ぎるのも良くねぇんだな、きっとな。
中西:やっぱり人間苦労した方がいいらしいよ。
金子:それで、どこが上がるの?
中西:俺、大分と大宮。
金子:大分、大宮・・・あれっ古巣は? なんとかディレクターとしてはどうなんですか?
中西:ディレクターじゃないよ、アドバイザー。
宮澤:フロンターレも走ればいけるメンツはあるけど、この間もリカルジーニョ(川崎フロンターレ)、またワガママにやってたなあ。
中西:・・・ノーコメント。ディフェンスが・・・。
宮澤:やっぱ大分、大宮になっちゃうのかな。
中西:大宮は、やっぱりバルデス次第ですよ。
金子:京都(パープルサンガ)は?
宮澤:京都いたね、そう言えば。メンバー的にはどうだ?
中西:僕はダメだと思います。
金子:ここも売りまくりましたね。
中西:厳しいと思いますよ。特に後ろが。J2を制覇するパターンとしては、しっかりディフェンスができるチーム、ディフェンスが一番大事なんです。あとはチームを引っ張る人がいなきゃ厳しいですよ。
金子:そうすると、トリニータはシジクレイ(ヴィッセル神戸)が抜けたの痛くない?
中西:スターレンス(元ベルギー代表)がそうなるって言ってましたよ。スターレンスがしっかり軸になれた場合ですよ、勝てるのは。
金子:ベルギーみたいにちっちゃな国でやってた選手はきついと思うよ、この移動。だって最長でも3時間でしょ電車、ベルギーだと。
宮澤:大分から出るだけで3時間くらいかかるよな。
金子:でも大分、大宮が割と堅いところかもな。J2的には。
中西:堅い・・・でもホントわかんないっす、今年は。だからJ2は面白いと思いますよ。
宮澤:フロンターレが走らないからわかんなくなっちゃうのよ、お宅が。そうすりゃわかるだろ、あのメンツで。・・・あっダメだ、あのディフェンスじゃ。ダメだったな、ゴメンゴメン。俺この前練習試合観たんだった。一緒に観てたよな。
中西:だから僕ノーコメントだって言ってるじゃないですか! 前はいいんですよ、エメルソン、阿部(良則)。
宮澤:浅野(哲也)までケガしちゃったもんな。・・・まあ飲めよ。
(会場:爆笑)

構成・文:CREW
撮影:星野洋介

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