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井上芳雄

井上芳雄

押しも押されもせぬミュージカル界のプリンス、井上芳雄さん。2010年にデビュー10周年を迎えた後も、ミュージカル、現代劇、映画と、俳優としてますます活躍。その演技には磨きがかかり、声は艶と深みを増している。表現者として充実し、多彩な舞台をこなす井上さんならではの視点で、この秋上演される気になる公演について語ってもらった。

取材・文:高橋彩子 / 撮影:吉田タカユキ(SOLTEC)

日本の問題を、鋭くユーモラスに描く永井愛作品は必見!

井上さんが観客として観たいと思う舞台は、大きく分けて二種類。ひとつは「肩が凝らず理屈抜きに楽しめて、気分転換になるもの」、もうひとつは「自分がなんとなく感じていた事柄をはっきりと見せてくれたり、知らなかった問題を教えてくれるもの」だそう。

井上芳雄

「でも今はどちらかと言えば、ただ愉しいものより、俳優として刺激を受けるもの、大きく言えば人生を左右するようなものを選びますね」

そうした観点から、井上さんが注目するのは、劇作家・永井愛が作・演出を手がける二兎社『こんばんは、父さん』。震災と原発事故を背景に描く新作だ。

「僕は、井上ひさし先生をとても尊敬していて、最後の作品『組曲虐殺』にも出演しました。その先生が、“自分の志を継ぐ作家”とおっしゃっていたのが永井愛さん。永井さんの作品は、国歌斉唱がテーマの『歌わせたい男たち』など、幾つか観ています。日本人として日本の問題を扱い、しかも芝居として面白い。『こんばんは、父さん』がどんな内容になるか、気になります」

共演した和音美桜さんや交流ある林英哲さんの舞台に注目

「共演経験があるからこそわかる、俳優や演奏家の魅力も。この点、井上さんが見逃せない公演として挙げるのは、和音美桜さんが内博貴さんと共演するミュージカル『デュエット』や、和太鼓奏者・林英哲さんの公演だ。

井上芳雄

「和音美桜さんとは、この7月にミュージカル『ルドルフ ザ・ラスト・キス』で共演しました。和音さんは毎回、相手役の僕の状態を感じ取って、ピタっと合わせてくれたんです。それでいて、自分らしさもしっかりと持っている。技術も感性も素晴らしい女優さんなので、内さんとのデュエットも素敵だろうなと。それに、大きな舞台を務めた後って、俳優としてどう変わるのか、周囲からも注目されるし、自分でも意識するもの。だから『ルドルフ~』後の和音さんの舞台に興味があります。
林英哲さんは僕の舞台を毎回観に来てくれるのですが、去年初めて、一緒にライブをしました。太鼓の横で歌うのは、震動も凄くて難しかったけれど、自分自身も打楽器になったような感覚が新鮮で。英哲さんは色々な舞台をご覧になっていて、アイデアも知識も豊富な方。今回のコンサートがどうなるのか、楽しみですね」

新たな歴史を刻む劇場と、惜しまれつつ幕を下ろす劇場への思い

舞台に立つ仕事柄、劇場という空間は当然気になるという井上さん。「劇場って、客席から見るのと舞台から見るのとでは、印象が全然違うんです。客席から“広いなあ”と感じても、舞台側からは緊密に感じることも。劇場によってさまざまなんですよ」  そんな井上さんにとって、今年7月、渋谷に開場したミュージカル専用劇場の東急シアターオーブは、興味をそそられる存在だ。

井上芳雄

「こけら落としの『ウエスト・サイド・ストーリー』は、残念ながら観られなくて。でも、秋以降も『ミリオンダラー・カルテット』フランス版『ロミオ&ジュリエット』『エリザベート20周年記念コンサート』と注目の公演が続くので、ぜひ足を運んでみたいです」

一方、惜しまれつつ幕を下ろす劇場、ル テアトル銀座by PARCOで上演される黒柳徹子さんの公演も観に行きたいと話す。1987年に開場した同劇場(旧称・銀座セゾン劇場)は2013年5月末日をもって、その歴史に終止符を打つ。ここで1989年以来、ほぼ毎年上演されてきたのが、黒柳さんのライフワーク「海外コメディ・シリーズ」だ。次回公演『ルーマーズ』はシリーズ第26弾となる。

「黒柳徹子さんの舞台は、観たい観たいと思いながら機会がなくて。ル テアトル銀座でのこのシリーズは、『ルーマーズ』が最後でしょうから、今度こそ観たいです。黒柳さんとは以前、『徹子の部屋』に出演させていただいた時お話して、ミュージカルもよくご存知なんですよね。テレビで活躍しながら舞台に立ち続けるのは、大変なこと。ましてやコメディって、観客の反応と共に作っていく部分も多いから、すごくエネルギーが要りますし。素晴らしいなと思っています」

同世代の演出家の作品から伝統芸能まで、新たな世界に興味津々

 

井上芳雄

蜷川幸雄さん、栗山民也さん、小池修一郎さんなど、錚々たる演出家の舞台を経験済みの井上さんだが、同世代の才能にも関心を寄せる。

「巨匠の方々の演出は勉強になりますが、世代の近い演出家の舞台も気になりますね。例えば長塚圭史さんは、脚本も書くし、ワークショップからじっくり作ると聞いて、楽しそうだなあと。アメリカで勉強された小川絵梨子さんも、台本を読んでのディスカッションから入るそうなので、興味があります。あと、僕が出演した『TRIANGLE』シリーズで脚本を手がけた蓬莱竜太さん。蓬莱さんの演出はまだ受けたことがないので、どんな感じなのかな?って。こうした方々の舞台に今、注目しています」

新たな出会いにも意欲的な井上さん。この秋、挑戦したい観劇ジャンルについても尋ねてみた。

文楽を観てみたいです。8月にPARCO劇場で行われた三谷幸喜さんの『其礼成心中(それなりしんじゅう)』も話題でしたよね。この前、テレビで古典作品の放映を見たら、想像していた以上に言葉が分かりやすく、コミカルな部分もあって、面白そうだと思いました。それに、人形には表情がほとんどないはずなのに、動きで感情が伝わるというのは、俳優として学ぶところがある気もします」

日本の伝統芸能からもインスピレーションを得たというデヴィッド・ルヴォー演出『ルドルフ ザ・ラスト・キス』の経験も、きっかけのひとつだそう。

「ルヴォーの演出に『さすが、イギリスの演出家だな』と感心していたら『君たちの国の文化から学んだことだよ』と言われた時の、所在なさと言ったら(笑)。『ライオン・キング』の演出家、ジュリー・テイモアも文楽から影響を受けたそうですよね。東京で文楽を観に行くチャンスがあったら行ってみたいです」

PROFILE

井上芳雄(いのうえよしお)
1979年福岡県出身。2000年に、ミュージカル『エリザベート』ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカルや演劇に俳優として出演するほか、ソロコンサートやディナーショーなどの歌手活動も積極的に行っている。近年の舞台にミュージカル『キャンディード』『三銃士』『ハムレット』『ルドルフ・ザ・ラスト・キス』、演劇『負傷者16人』など。この秋は、現在公演中の『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』に続き、『組曲虐殺』再演を控えている。

INFORMATION

【舞台】
井上ひさし生誕77フェスティバル2012第八弾 ファイナル こまつ座&ホリプロ公演『組曲虐殺』
2012年12月7日(金)~30日(日) 天王洲 銀河劇場(東京)
※2013年1月に福岡、金沢、大阪、新潟、市川、広島、名古屋公演あり

井上芳雄さんオススメ

二兎社『こんばんは、父さん』平幹二朗、佐々木蔵之介、溝端淳平

  • 二兎社『こんばんは、父さん』
  • 劇作家・永井愛が描く異色の男性3人芝居に挑むのは、佐々木蔵之介、溝端淳平、平幹二朗。年齢も境遇も違う男達の濃密な一夜の物語。
  • [日程]10/26(金)~11/7(水)
    [会場]世田谷パブリックシアター(東京都) ※その他 全国公演あり

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俳優を魅了する劇作家の舞台

「The Library of Life まとめ*図書館的人生(上)」
佐々木蔵之介がいち早く才能を見抜いたイキウメ・ 前川知大の作・演出。

ミュージカル『デュエット』和音美桜
ソニア・ウォルスク役の和音美桜

  • ミュージカル『デュエット』
  • ニール・サイモンのミュージカル・ラブコメディを錦織一清が演出。人気作曲家(内博貴)と女性作詞家(和音美桜)の大人の男女の恋物語。
  • [日程]9/28(金)~10/10(水)
    [会場]シアタークリエ(東京)
    ※大阪、愛知、福岡公演あり

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  • 林英哲(和太鼓)
  • ソロ活動30周年記念コンサート
  • [日程]11/17(土)
    [会場]サントリーホール 大ホール(東京)

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男女のドラマがいっぱい

「サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~」
韓国で14年のロングラン実績を誇る大ヒットミュージカルを日本人キャストで上演。
「8月31日 ~夏休み最後の日~」
ユーミンが影の登場人物となり劇中で自身の楽曲を歌う。

和太鼓奏者から女優が誕生!

『日本橋』
坂東玉三郎主演の舞台に大抜擢された斎藤菜月は元鼓童のメンバー。

  • 東急シアターオーブ
  • 2012年4月、渋谷駅ビルにオープンした渋谷ヒカリエ。この11~16階に“宙空に浮かぶ”劇場として開場したミュージカル専用劇場。多彩なラインアップで話題作を上演する。

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『ルーマーズ』黒柳徹子

  • 『ルーマーズ』
  • 700回以上も爆笑が起こったという 伝説の作品をリニューアル上演。
  • [日程]10/18(木)~11/4(日)
    [会場]ル テアトル銀座 by PARCO(東京)
    ※大阪公演あり

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人気劇団が新劇場に登場

SHINKANSEN☆RX「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII」
石川五右衛門が大暴れする人気シリーズ第3弾。三浦春馬、蒼井優が客演で参加。

長塚圭史

  • 長塚圭史さんの舞台
  • 三好十郎作『浮標』の再演や、“こどもに開かれた”大人の演劇を目指し、近藤良平、首藤康之、松たか子らと『音のいない世界で』を上演。
  • 葛河思潮社第2回公演『浮標(ぶい)』
  • [日程]9/20(木)~9/30(日)
    [会場]世田谷パブリックシアター(東京)
  • 『音のいない世界で』
  • [日程]12/23(日)~2013/1/20(日)
    [会場]新国立劇場 小劇場(東京)

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小川絵梨子

  • 小川絵梨子さんの舞台
  • スーザン=ロリ・パークス脚本の話題作を小川絵梨子が演出。出演は堤真一と千葉哲也。
  • 『TOPDOG/UNDERDOG』
  • [日程]11/30(金)~12/28(金)
    [会場]シアタートラム(東京)

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気鋭の劇作家、演出家の舞台

モダンスイマーズ「楽園」
蓬莱竜太が描くある女のルーツの物語。
劇団、本谷有希子
鶴屋南北戯曲賞を受賞した本谷の代表作『遭難、』が待望の再演。

伝統芸能の真髄に触れる

新橋演舞場 十月大歌舞伎
七世幸四郎が生涯に約1600回演じた「勧進帳」を昼・夜で配役を替えて上演。

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